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短編2
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「家族」

 コンビニに寄った帰り、公園をのぞいてみると、白いワンピースを着た可愛らしい少女がいた。

周りに保護者らしき人影はおらず、周囲をきょろきょろと見渡しているようだった。

しばらくその様子を眺めていると、少女と目があった。

少女はこちらの視線に気づくと、こちらに駆け寄ってきた。

近くで見ると端正な顔立ちをしていることがよくわかった。

「どうしたの?お父さんやお母さんは?」と聞くと、

「お母さんは私」と。

お母さんは私?首とかしげていると、少女は「おままごとしましょう」と、微笑んだ。

なるほど、おままごとの「お母さん」か。と納得すると、

少女は私の手をぐい、と引っ張った。

華奢な体だが、意外と力は強いようだった。

少女は私の手を引き、砂場を目指す。

まいったな、と思いながらも、嬉しそうな少女の後ろ姿に、少しだけなら、と根負けした。

砂場には何人かがいた。それぞれ、

「お父さん」「お姉ちゃん」「お兄ちゃん」「犬」

と、名札を付けている。

「おかえり、お母さん。きょうの晩ごはんはなあに?」

「わたしハンバーグがいい」

「お母さん、宿題教えて」

「わん、わん」

少女は砂場に座り、二人と一匹の「家族」にただいま、とほほ笑んだ。

そして、私の胸元に手を伸ばし、名札を付けた。

「ただいま、私の『赤ちゃん』」

今更ながら、気づいた。時刻は午後11時。夜食のカップラーメンをコンビニで買った後だった。

なぜ少女はこんな時間にここにいるのか、

なぜ少女の、「家族」たちは子どもではなく、大人なのか。

でも、そんなことはどうだっていい。

「家族」の虚ろな目に囲まれて、私は砂場へと座り込んだ。

「お母さん」におかえりとは言わない、だって、だって私は____

「バブゥ」

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