当時、私はまだ高校生でしたが
若気の至りか年上の方と交友関係を築いたり
交際をしたりする事が多く、よく深夜の
ドライブに出掛けていました。
そんな当時の胡乱な話です。
その日は冬の初め頃何の星座だったかは忘れてしまいましたが流星群が見れるとの事で
当時付き合っていた彼氏と自分の住んでいる街から1時間ちょっと離れた場所にあるスキー場に隣接された駐車場が綺麗に見えるみたいだから、そこで一緒に見ようと言う事になりました。
現地に着くと周りには殆ど街灯が無く真っ暗闇で星が空から降るようが綺麗に見えとても興奮した事を覚えています。
少し経つと流れ星も見る事ができ私は大はしゃぎしていました。
ですが何か誰かに見られている様な嫌な気配を感じたのです。
寒かった事もあり車の中から見ようと提案し車中から星を眺めていましたが車の窓を見る事も怖くなってきてしまい場所を変える事になりました。
車内で音楽をかけながら歌ったり話したりしていましたが先程からの不安が拭えず隣で運転している彼氏に
さっき車が1台も止まってないのに凄く見られてる気がしたんだよね。
周りを凄く囲まれてるみたいな嫌な感じ。
建物の2階のバルコニーみたいな所にも錯覚だと思うけど人影みたいのが見えて……
まだ時期じゃないけど管理人さんとかかな?
と恐る恐る話すと
まぁ動物も居たからね。でも他にも沢山居たね。あの時言ったら怖がると思ったし、それで霊に寄って来られるのも嫌だったから黙ってたんだけど、やっぱり気付いてたんだね。
と言われ私は驚きを隠せませんでした。
先程の場所からは大分離れていたので少し安心していましたが心霊スポットに行ったり怖いDVDを見たりするのが好きなクセに怖がりなので口には出しませんでしたがかなりビビっていたと思います。
いきなり「さっき駐車場に入る前に鹿見たじゃん?何匹見えた?」と聞かれ
頭にはてなマークを浮かべながらも3匹と答えると「5匹居たよ。でも3匹は生きてるけど2匹は死んでる」と言われ 狐とかは聞くけど鹿も幽霊になるんだなぁ〜と呑気に考えていました。
その当時の彼氏は霊感があるのか一緒に
心霊スポットに行くと、よくそんな話をしてくれていたので半信半疑でしたが元々ホラー好きなのもあり、そう言う事もあるんだな〜と聞いていたのですが自分が、ここまでハッキリと
嫌な気配を感じたのが初めてだったので
なかなか怖かったです。
次の目的地の展望台に着くと先程の駐車場
よりも標高は低いですが、そこでも
星が綺麗に見えました。
ただ周りに何台か車が居たとは言えども少し前に体験した事が未だに怖く車を降りる気にはなれず星を見ながらグダグダと下らない会話をしていました。
ふと
コンコンッ
と聞こえたので「何の音?」と聞くと
「風の音じゃない?」と言われ風でこんな音はしないと思うんだけどなぁと思っていたら
また
コンコンッ
と聞こえてきたので「ねぇ、やっぱり聞こえる
何の音?怖いんだけど」と強気で言うと
「風で木が揺れて枝が窓に当たってる音だよ」
と具体的に答えられたのでそうだったのかと
安心して、また話だしました。
その間もずっと「コンコンッ」と言う音が聞こえていましたが気にしないように話し続けました。
そろそろ、お互い眠たいし帰ろうと言う事になった時にふと木の方を見ると私達が乗っている車は木から離れており風で揺れたとしても枝が当たる様な所にはありません。
例え当たっていたとしても窓には届かないので
「コンコンッ」と言う固めの音がする事は無いのです。
その晩はいつもは私は実家暮らし彼氏は会社の寮なのでお泊まりにはならないのですが、もう怖くて家に1人で入る事もしたくなかったので
彼氏に無理矢理泊まる様に頼み込みました。
帰る道中も走る人影が見えたりして
半分泣きかけていたと思います。
今思えば人影等は私の恐怖が生み出した幻想
だったのかもしれませんが当時は本当に
怖くて怖くて仕方がなかったです。
私の家に着き布団に入り話して居ると
「本当はさっき男の子に窓をノックされてた」
と言われ冗談だろうが幻想だろうが
私は確かに恐怖体験をしたのだと思いました。
それ以来特に恐怖体験をした事はありませんが
場所を移した展望台の辺り一帯は心霊スポットだらけで、その一帯自体が心霊スポットと言っても過言ではなかったと思います。
私が記憶が無い程に小さい頃からテレビや雑誌で一時期取り上げられていた心霊スポットも
ありますし噂も絶えません。
なのでノックも本当に心霊現象だったのかもしれません。
ですが私があのスキー場に隣接された駐車場で感じた嫌悪感は何だったのか噂も全く聞かないので説明がつきません。
人が集まる場所や山にはやはり何かが居るのかもしれませんね。
作者怪