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短編2
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便器の中には・・・

俺が小学生のとき、実際に体験した話。

その日は親父もお袋も残業らしく帰りが遅くなるらしかった。

俺は一人で夕食を済ませると1階でテレビを見ていた。

「つまらん番組しかやってねぇな・・・」

ふとそう思ったとき、

「ガタン!!ジャーー」

トイレの便器?らしきものが閉じる音と水が流れる音がした。

え?いま家には俺しかいないはず・・・。

そうおもうと途端に寒気がきた。

俺は親が帰ってくるまでトイレに行かないようにしよう・・・。

と思い、いこうと思っていた小便を我慢していた。

だが親はいつまでたっても帰ってこない。

時間は夜の11時すぎ。

俺は意を決してトイレに行ってみることにした。

トイレは1階にあるのだが、そのよこの部屋には客間がある。

客間には俺が生まれる前からあったらしい妙にリアルな顔をした不気味な日本人形が置いてある。

俺は昔から客間に行くのがその人形のせいで嫌だった。

そこは、昼間は大丈夫なのだが夜は妙に不気味な静けさがあった。

電気はつけれるのだが、その蛍光灯は夜の街灯のように不気味な光を発しているように見えた。

トイレについた。

扉は閉まっている。

俺は目をつぶり、勢いよくドアを開けた。

目を開けてみる。

そこには

閉じられた便器があった。

そこから黒い髪のようなものがはみ出して、トイレの床についていた。

3時間くらい前からずっと我慢している小便に耐え切れず衝動的に便器を開けた。

便器の中には・・・

客間にあるはずの日本人形がこちらに顔を向けるようにして入っていた。

人形の頭はすこし髪の毛が抜け落ちていて、

そこから血がにじんでいた。

人形と目が合った瞬間、俺は気を失った。

気づくと俺は布団の中でよこになっていた。

親父が心配そうな顔をしていたが、俺が意識が戻ったのに気づくと表情が和らいだ。

親父「お前どうしたん。トイレで気ぃうしなっとったで」

俺「便器の中に日本人形が・・・」

そういおうとした時、親父の後ろの部屋にある客間から視線を感じた。

俺は反動的にそこを見てしまった。今思うと見ないほうが良かったのかもしれない。

客間のふすまがわずかに開いていて、

そこから昨日の日本人形がびしょぬれで血のにじむ顔を半分ほど覗かせて

俺を凝視していた。

俺はまた気を失った。

それからあとのことは覚えていない。

あの日本人形はそれからどうなったのか

俺にはわからない。

いや、あの日から客間に行くのを避け、それから数週間後にあの家を引っ越した俺には、それを知る術がないのだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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