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うちの家では度々ラップ音や声が聞こえ、金縛りに遭うことがある。
いつもはどんなになにが起こっても、なにが聞こえても丸っ切り無視して相手になんかしない。
夜0時過ぎに寝たある日も、いつもより酷いラップ音が続いていた。
ラップ音は既に日常茶飯事なので、気にせずにウトウトしていると
shake
「うわぁああああ、うあぁぁああああーー」
と声質は20代くらいの女性の声なのに、まるで幼児が泣いているような声がすぐそばで聞こえ始めた。
ーやっと眠れそうだったのに。
すっかり覚醒されてしまい、思わず
「うるさい!!」
と叫んでしまった。
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直後にやってしまった…と後悔した。
声がピタっと止み、ナニカがこちらを凝視している。
だが動かない。様子を伺っているだけだ。
このまま静かにしていれば、やり過ごせるか?と思った瞬間、バッと気配がこちらに瞬間移動してきた。
それと同時に金縛りに遭う。
体が動かない。
もがこうとする背中にヒタヒタと触れる手の平が4つ。
気持ち悪い。ワサワサと撫でられる。
だがそんなに強い相手ではない。
渾身の力で金縛りを振り払うと、背中を撫で続ける手の平がすっと消えた。
安堵すると共に、疲れてそのまま眠りに落ちた。
霊感なんて無い方が良いとつくづく思う。
ふと、思い出した事がある。
数日前に女性の生首が2つ…
見えた場所と、声が聞こえて来た場所は
同じだった。
作者シグレ