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長編18
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ストーカー転じて・・・

今も継続中なんですが、

ある女性の霊に纏わりつかれています。

お祓いもしてもらいましたが全く無意味でした。

霊に憑かれたいきさつを今から書きますが、誰かいい方法があれば教えてください。

お願いします. 僕は小さい時から空手をやっていて、21になった今でも続けていて、試合も出ています。

去年の4月くらいに、試合が終わった後、帰り際に一人の女性に話しかけられました。

「すごい派手な試合しますね~。面白かったです.」

身長も体型も平均的な、ちょっと今時の感じの同年代くらいの女の子。

こっちは必死でやっているのに、「面白かった」という言葉に

すこしムッとしたものの、「そうですか。どうも。」と言って少し話した。

それからその子は、どこで知ったのか

僕の出る試合にはいつも観戦しに来るようになった。

去年の10月頃、ある大会で優勝することができた。

その子(以後K)もやはり見に来てくれていた。

表彰式も終わって、色々な方に挨拶もして帰ろうと思った頃、Kがまた駐車場のところで待っていた。

「おめでとう! かっこよかったよ!」と興奮気味に話しかけてくる(すでにタメ口)。「あぁ、この前の。ありがとう。」と僕も返す。

少し話して、「お祝いがてらご飯でもいかない?なんか用事あるかな?」と言われたが、「ゴメン。いつも嫌がって見に来ないんだけど、彼女いるから。」と断った。

その子はそうなんだ、と残念そうに言ったが、こう続けた。

「その子の事は、本気で好きなの?」

そういわれて、またちょっとムッとした。

そりゃ仕事柄(クラブのバーテンダー)ちょっと派手な髪してて遊んでる風に見られることもしばしばある。

だけどほとんど面識のない女の子にいきなりそんなこと言われるのは心外だ.

僕は気を悪くしつつも「そりゃ本気で好きだよ。だからゴメン。」と返した。

するとその子は「じゃあ電話番号とかメアドもダメ?」と言われたんで

客足を増やしたかった僕は店の名刺を渡し、

「街によくビラ貼ってあるし、興味のあるイベントがあれば連絡して。」

と言ってその子と別れた。

それが間違いだった。

それからKから毎日のように電話がかかってきた。

店にも毎週末来るようになった。どんなジャンルの音楽の時でも。

店に来て、踊るわけでもなくカウンターで僕が酒を作るのをじっと見ているだけ。正直僕は居心地が悪かった。

そしていつも電話や店で聞かれるのが「彼女とはどう?」だった。

ある日僕の家で彼女と居る時、Kから電話がかかってきた。

「今○君(僕です)のマンションの下にいるんだけど、今日泊めてくれない?」

と言われ、僕は当然「は!?」と言った。彼女は僕の家なんか知らないはずだ。

彼女も不穏な顔で見ている。「なんで家知ってるんだ」と聞くと、

「この辺りで友人とケンカして、車を下ろされた。でトボトボ歩いていると、僕の乗っている車があった。ナンバーも一致している」という。

僕はその時ようやく「この子はちょっとおかしい。」と思い始めた。

「普通に無理。しかも今彼女いるから。アシがないなら家まで送る。」と言った。

それを聞いていた彼女が、「誰?」と聞いてきたので誰?と聞かれ、僕は「ほらいつも店にくるって言ってたあの子」と

小声で返した。毎日電話がかかってくることも彼女には普段から話していた。

束縛も全然しないし僕が浮気しないことも十分悟っている彼女も、さすがに動揺し、

「切って」と合図を出す。「ゴメン待っててくれる?掛け直す。」と言い、電話を切った。

彼女は「どうなってんの?」と不機嫌そうに聞いてくる。僕は全部話した。

それを聞いて「その子おかしいんじゃないの!?あたしが下言って話してくる」

といい僕の静止も振り切りマンションの下に降りていった。

彼女はお嬢様な育ちの娘さんだったが、痴漢やストーカー対策の為

僕が空手を教えだしてからめきめき上達し、多少気も強くなった。しかしここまでとは。

僕も遅れて下にいった。彼女とKが話していた。

彼女「どういうこと?彼女居るって聞いたんでしょ?」

K「いや、帰れなかったんで・・・。いないと思ったし・・.。」

彼女「いないければいいってもんじゃないでしょ。泊めてとか。」

K「○○君優しいから、いいかなっと思って・・・.」

彼女「いいわけないでしょ!おかしいんじゃないの!?」彼女が切れた。

その後色々言われて、Kは半泣きで

「ごめんなさぃ・・・・」と言った。彼女が僕と一緒に車で家まで送るといったが、

彼女は「親に迎えに来てもらいます。ごめんなさい。」といって歩いていった.

ここからかな、雲行きが怪しくなっていった.

それから1週間位した頃、彼女から仕事中に電話がかかってきた.

「いつもなら仕事中に電話なんかかかってこないのに何かあったのかな」

と思い、電話に出た。彼女は「腕切られた・・・。血がとまんないから

救急車呼んで病院いる。」と言った。僕は仕事が終わってすぐに病院に行った。

彼女は手首の5センチくらい下から肘にかけて7、8センチくらい切られていた。

「誰にやられた!!?」と言うと、泣きそうな声で「160センチくらいの女・・・。」

Kだと確信した。僕はその時多分鬼のような顔をしていたと思う。

すぐに電話してKのところに行って、会った.

「どうしたの?」と何もなかったように言うK。

「俺の彼女の腕切りつけたの、お前だな」というと、「知らない」と言った。

しかし「嘘つくな。調べれば分かるぞ。」と言い睨んだら、

「だって・・・」と言って黙った.やっぱりKがやっていた。

K「だってあの子むかついたから・・・。」僕は呆れた。

「むかついたから!?そんなことで人切りつけんのか!」と怒鳴った.

するとKは「あたし○○君のこと好きなの。だから嫉妬で頭混乱しちゃって・・・。」

「ふざけんな!お前頭おかしいんじゃないのか!」僕も怒りで乱暴な口調になっていた.

するとKは驚く事に「あの子と別れてあたしと付き合って」と言い出した.

僕はまた呆れた。そして「なんなんだお前・・。もう俺にもあいつの前にも姿現すな。」

「警察には言わないでおいてやるけど、次変な行動したらただじゃおかないからな」

と言って去ろうとすると泣きながらKが「あたしの事嫌い・・?」と言った。

僕は振り向かずに「気持ち悪い。顔も見たくない。」と言ってその場を去った。

その2日後、Kが自殺した。

僕はその翌日Kとよくいっしょに来ていた友達からその話を聞いた。

Kは自分の部屋で眠剤やクラブで仕入れたであろうドラッグを大量にチャンポンして服用して死んでいた。

Kの部屋は無茶苦茶に荒れ果てていたらしい。

Kの死を聞いた翌日、変な夢を見た。

KとSEXをしている夢。Kは気持ち悪いぐらい満足そうな恍惚な顔をしていた。

するといきなり目の前が暗くなって「死ぬってSEXより気持ちいいよ。」と聞こえた。

そこで目が覚めた。僕は我ながら「なんて夢見てんだよ・・。俺はアホか」

と思ってうなだれた。目が覚めたのは仕事より6時間も前、

再び寝ようと思ったが寝つけなかったので、しばらく部屋のサンドバックを叩いていた。

すると、トイレからゴボゴボゴボッ!!と激しい水音が聞こえ、次の瞬間バァン!!!と凄まじい音が玄関のドアから聞こえた。

「なんだ!!?」と思って玄関のドアを開く。誰もいない。

ドアには大男が殴ったかハンマーで殴ったような跡があった。

「誰だ・・!!?」と思ってマンションの下まで降りた。

しかしそれらしき人はいない。

「誰かに恨み買うようなマネしたか・・・?Kの友達・・?」

等と考えつつ部屋に戻ろうとした。が、ドアが開かない。

というより、ドアノブが強い力で押さえられている。

力には相当自信がある。が、びくともしない。

「誰だ!開けろよ!!」と怒鳴った。すると力がふっと抜けて、ドアが開くようになった.

警戒しながら玄関に入る。

「どんな奴だよ・・・。見つけたとしても勝てんのか・・・?」と考えていた.

空手のみならず格闘術全般にかなりの自信はあった。それでも不安があった。

とりあえず部屋を見渡し、トイレ、風呂、ベランダを調べた。

1ルームマンションだ。もう隠れるところなんてない・・・。

ベランダから逃げたのか?そう思い部屋に戻るとサンドバッグがグラグラ揺れている。

「なんで揺れてる?」と思った瞬間、

急に強烈な嘔吐感や立ちくらみがして、膝をついてしまった。

前を見ると揺れるサンドバックから異様な程の埃が舞っている。

加えて頭痛もひどくなり、意識を保つのも困難だ。

「なんだこれ・・・やばい・・。今さっきの奴が来たら・・。」

と思い玄関に鍵を閉めに這って行った。

玄関にはKがいた。キャミソールのような下着姿だった。

Kは僕を見下ろしている。とても冷たい目だった。

僕はゾッとしながらも「なんだよ・・・。幻覚か・・・?」と

無視して玄関の鍵を閉めようとした。

すると力がふっと抜け、玄関に仰向けに倒れてしまった。

Kが僕に顔を近づける。「動け!クソ!体動け!」と必死に

意識を保ち体を動かそうとするが、動かない。Kの手が僕の顔を撫でる。

しばらく撫でられ、次は顔に顔を近づけてくる。

顔中、そして首を舐め回す。 認めたくないが、

全身の力が抜けてもうどうでもよくなってしまいそうな感覚になってしまう。

なにを考えたのか、顔を舐めているKと目が合った僕は

「・・・・なんか言えよ。」と言った。Kは少し笑って行為を続けた。

「やばい。このままじゃやばい。」と思って

体中の力を振り絞って

「ああああああああああ!!!!!」と吼えながら僕は上体を起こした。

Kの姿は消えていた。体も言う事を聞いてくれた。

「・・・・なんなんだよ・・・・。」と言いながら

ドアにもたれ崩れる。するとドアの向こうから

「ムカつく」と言う声がはっきり聞こえた。

「なんなんだよもう・・・・!」と思いながらドアを開けた。誰もいない。

これが1月頃の話。これから一か月くらいは地獄だった。

分かりました。

 

次の日、彼女にこんな事話して不安にさせるわけにもいかず、

一番信頼できる人、彼女の父親(オーナー)にこの事を話した。

「夢じゃないのか?」僕は「あれは夢じゃないですね。」と言った。

オーナーは「んーー・・・。」と困った顔をしていた。

それを見て、「まぁ、もう大丈夫だと思いますよ。うん。大丈夫です。」と

話を終わりにした。

それから5日後、休日だった僕は深夜、走りに出かけた。

10キロくらい軽く走って、そろそろ折り返そうかと思っていると、

急に背中を蹴られたような衝撃が走って、僕は前のめりに手をついた。

「誰だ?」と思って後ろを振り返ると、誰もいない。

というか人気のないところだ。だれもいるはずがない。

「・・・?」と思って前を見ると、10メートルくらい先に、小柄な男が立っていた.

「こいつじゃないよな・・?」と思いつつも

ここを早く離れようと思い、その男に声をかけた。

「あの、なんか変な男がこの辺りいるみたいなんで、早く離れましょう。」

反応がない。心なしかすこし揺れている。

「あの・・・」と近寄るとその男はドラッグでキまったような顔をしている。

片目がほとんど閉じて片目が半開きで白目を向いている。

さすがにギョッとした。僕はそのままその男を通りすぎて走った。

すると急に左腕をとんでもない力でにぎられた。振り向くとさっきの男がいる。

ものすごく痛い。腕が握りつぶされそうだった。

「なんだよ・・・!はなしてください・・・!」男は反応がない。表情も変わらない。

僕はやむを得ずその男の脇腹に蹴りを入れた。

男は「ぎぁぁぁぁぁぁ!!」と叫んで脇腹を押さえて倒れ

足を狂ったようにバタバタさせている。「まずい」と思い

「すいません!大丈夫ですか!?」と近づくとまた強烈な力で、

左腕の同じ箇所を握りつけてくる。僕はびっくりしたと同時に

その男を右手で殴りつけた。

男は言葉にならないような叫び声をあげ倒れる。

「なんなんだよもう!!」と思いながら猛スピードで走って逃げた。

気がおかしくなりそうだった。

腕をつかんできた男から逃げてマンションにようやく戻ってきた。

部屋に戻り「クソ・・・・」と言いながらベッドに倒れこむ。

気を紛らわそうと思い、彼女に電話して気を紛らわせようとした。

幸いまだ起きていて、しばらく話した。

話していると、またトイレからゴボゴボゴボッと音がして、

ドアを強烈な力で叩く音がした。「何の音!?」彼女が驚いている。

「・・・変な奴がいるのかも。ゴメンまた後で掛け直すから.」といった。

「ちょっとやだ危ないって!!鍵かけて部屋でいなよ!」彼女がいうが、

「大丈夫。」といって切った。もちろん大丈夫じゃない。

でも鍵をかけて部屋でいてなんとかなるもんじゃないというのはなんとなくわかった。

僕は玄関に向かい、ドアを開けずに言った。

「Kちゃんか?」返事はない。構わず続けた。

「やっぱ俺を恨んでんのか・・・。」やっぱり返事はない。

急にまた気分が強烈に悪くなる。立っているのも辛い。

「話できないのか?前みたいな行動だけじゃなにがしたいのかわかんねぇよ」

返事はないが、続ける。しかしもう立っていられない。

「俺を殺したいのか」もう目を開くのもやっとだ。

「俺は死なない」「俺死はなない」意識を保ちながら、何度も言った。

するとKの顔(ちょっとおかしかった)だけがぱっと目の前に現れ目を見開き、

「なんで」 とはっきり強めに言った。

  心臓が止まるかと思った。俺は絶叫しそうになった。「・・・・・っっ!!!」と絶叫を堪えて、Kから目をそらさなかった。

5秒くらい睨み合った後、Kの顔がふっと消えた。最後に恐ろしい形相をして。

体に力が入った。だんだん気分も良くなり立ちあがり、

「色々やんなきゃなんねぇ事があるからだよ!!」

と僕はドアに怒鳴った。完全に気が滅入っていた。

彼女に電話をして「大丈夫だった?」と泣きそうな声の彼女に

「あぁ、酔っ払いだった。」と返すと「よかった~・・・。」と安心した声を漏らした。

内心「全然良くねぇよ・・・・。」と思いながら「心配しすぎだって~。」と返した。

その夜、またKとSEXする夢を見た。

前と同じ気持ち悪いくらいの満足そうな恍惚な顔をしている。

今度は目の前が暗くならずに、「死ぬって気持ちいいんだって。」と言われた。

その後また目の前が暗くなって、「好き」という声が聞こえた。

そして目が覚めた。「うるせぇよ・・・」と言葉が漏れた。

恐怖と怒りで胸くそが悪かった。

とりあえずKの怨念は洒落にならないと思ったので、

僕はクラブ関係者で霊に詳しい人に話をきいてもらった。

その人はKを知っている。

「あ~あの子完全に○○にベタボレだったもんねぇ。」と言っていた。

今まであった不思議な体験、夢の話まで全て話した結果。

「お祓いしよう」ということになった。

お祓いとは結構凄いもので、かなり効果はあるらしい。

僕はすぐ紹介された神社でお祓いしてもらった。神主さんに

「なにか霊に最後に言いたいことはないか」と聞かれた。

僕は「すまない」とだけ伝えて欲しい。と頼んだ。

「成仏した。」と神主さんに告げられ安心した僕は

その晩家に帰って彼女とゆっくりしてた。

でも心の何処かでKに対する罪悪感もあったのかもしれない。

それがいけなかったのか、Kは成仏していなかった。

彼女が突然、「いたい!なにすんの!?」と叫んだ。

僕は何もしていない。「今針かなんか背中に刺したでしょ!」と怒っている。

「なんのことだよ?どこ?」背中をみた。押しピンが刺さっていた。

家着のトレーナーごしだったのでそれほど深くは刺さっていないようだ。

次に彼女は「なんか吐きそう・・・・気分悪い・・・。」と言い出した。

「まさか」と思い僕は立ちあがろうとした。が、足に力が入らない。

そういえば僕も気分が悪い。

次の瞬間、2度にわたって聞こえたドアを殴りつける轟音が

バァン!!バァン!!バァン!!と何回も聞こえ出した。

トイレからはボコボコボコボコッ!!という水が沸騰するような音が聞こえた。

「成仏してねぇじゃねぇかよ!」彼女「うぅ・・・・なんのこと?」

僕はKが来たと確信した.

二人とも立つ事もできない。

しばらくして彼女が「きゃぁぁぁぁぁ!」と激しい悲鳴をあげた。

布団をかぶりうずくまり、「ベランダ!!ベランダ!!」と叫んだ。

ベランダを見ると、窓にべったり貼りついた人影が見えている。(曇りガラスだった)

Kか!?と思ったがシルエットは男のようだった。ピクリとも動かない。

次にまた彼女が悲鳴をあげた。「何これぇぇ!!いやぁぁ!」と布団の中でじたばたしている。

「なんなの!?なんなのぉ~~~!!」と言い彼女は吐き出してしまった。

たまりかねた僕は彼女を抱きしめ、「大丈夫だ。大丈夫。守ってやるから。」と言った。

僕は恐怖より怒りが沸いてきて、「いい加減にしろ」と言葉が漏れなんとか体を自由にしようと

体に力を込め気持ちを落ち着かせた。動く。と同時にベランダの影が消えた。

彼女に「落ちつけよ」と言い残し玄関に走った。

そしてドア越しに外に向かって、

「ふざけんな!!消えろ!!誰がお前のもんになるか!!消えろ!!」と叫んだ。

「地獄に落ちろK!!つーか地獄に落としてやっからな!!」僕は狂ったように叫んだ。

その後彼女の方を振り返ると、うずくまっている彼女を真横で四つん這いになって見ている

Kがいた.

「やばい」と思い彼女の方に向かおうとした。

その時、ドアの方から手が伸びてきて僕の服を掴んだ。

僕はその手を骨が折れるくらいに捻り曲げた。

すると「ぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」という嫌な叫び声が聞こえ、

彼女の横にいたKがものすごい形相でこっちに向かってきた。

「なんだよ!!こいよ!!ぶっ殺してやる!!」と叫んで迎えうとうとした。

しかしその瞬間に目の前が真っ白になり、視界が回復すると

目玉がおぞましい模様になったKがまさに目の前にいて、僕に抱きついた。

そして、僕の耳元で何かささやき、(聞こえなかった.)そして消えた。

彼女はずっと泣いていた。

僕も怒りと恐怖と悔しさで、何年ぶりかの涙を流して、

こぶしから血が出るまでトイレのドアを殴りつづけた。

その日はそれからは何も起こらなかった。

二人とも落ちついた後、僕は彼女にKの怨霊が何回か出た事を告げ、

「もうお前はこの部屋にくるな。」と言った。

彼女は「この部屋を引き払おう。出よう。」と言った。

僕は断った。「ふざけんなよ。誰が逃げるか。」半ば意地になっていた。

それに、何処に逃げてもKは追ってくる事を確信していた。

次の日、朝一番に神主に「成仏していない」と言いに行った。

ひとしきり謝られた後、一つおいて神主は僕に

「君はもう助からないかもしれない。」と言われた。

その日から3週間くらいは、毎日Kが部屋に来た。昼夜問わず。

抵抗できる時は抵抗したが、完全に体の自由が聞かない時は

顔中や首を舐めまわされたり、首をしめるマネをされたりした。

一度あきらめた時があった。

もう無理だろうと。死を覚悟した。

「・・・わかったよ。もう殺せよ。」と言ってしまった。

Kは俺の頬を撫でながら「・・・フフ。楽しい。」と言いながら立ちあがり

ドアの方に歩いていき消えた。 

塩を置いてもお札を貼っても全く効果がなかった.

出雲神社には4月にお祓いをお願いしにいきました。

確かにKが現れる頻度は落ちていましたが、

「怨霊がついている風には感じない。」と言われました。

 一応お祓いはしてもらいましたが。

まだKは部屋にも部屋以外にも現れます。

2月始めくらいから、Kが出ることは頻繁には無くなった。

出てもたまに姿が見えるくらいで、何もされない。

KとSEXする夢は良く見る。最後は「死の気持ち良さ」を呟かれて終わる。

Kが彼女を殺している夢も見た。

俺が「それだけはやめてくれ」と叫ぶと、Kは狂ったように笑う。

その後男の声で「溶ける・・・溶ける~~」と言うのが聞こえた。

目が覚めると大量の涙を流していた

3月始め、Kの友達(Mとする)が狂った。

うちのクラブで男がMを抱えてソファーに連れていった。

カウンターからは見えないが、凄まじい奇声を発している。

カウンターを下の子に任せ、様子を見に行くと、

目が飛び出しそうになるほど開いたMが叫んでいる。

その男に「タマ食ったか?」と聞くと、「多分・・・。幻覚のひどいやつらしいっす。新種らしくて。」

Mは「ぎゃぁぁっぁ!!助けてください!!もう嫌だァァァァァ!!」と叫び、

たまに「K~K~ごめん~ K許して~」といい、直後

「ごぉぉぉぁぁぁぁぁ」と低い叫びをあげ泡を吹いて気絶した。

僕が「おいM!M!!」と水をかけたりほっぺを叩くといきなり

目を飛び出すほど見開く。そしてまた叫ぶ。

「殺される!!こ~~~ろ~~さ~~~れ~~~る~~~!!許してください~~・・・・」

「おいM!!俺が分かるか!!?」と言うが反応がない。

「だめっす。多分○○君も見えてないです」と男が言う。

救急車はまずいので暴れるMを抱えスタッフに車で病院に運ばせた。

その3時間後、点滴で抗生剤を打ち一旦は落ちついたに見えたMだったが

病院を脱走しビルからとび降りて死んだ。

僕は営業停止は覚悟した。しかしMから検出されたのは、

合法の眠剤だけだった。眠剤だけではあそこまではならないはずだ。

Kが何か関係あるのかは分からなかった。

僕は帰って、いるか分からないKに話しかけた。

「今日Mが死んだよ。一応友達だったんだろう。あいつはちゃんと成仏するかな。」

と言い、風呂に入り眠ろうとした。 その時ベランダから

「カカカ」という老人のような低い笑い声が聞こえた。

その日、知らない男女がMの死体を食ってる夢を見た。

Kがいつもの下着姿で体育座りをして死んだような目をして眺めている。

そしていきなりこっちを振り向いた。1月に見たおぞましい模様の目をしていた。

口は不気味な形に歪んでいる。  最後に「こういう子は楽なのよねぇ」と言っていた.。

どう言う意味なんだろう。楽に殺せると言う事か

3月からか、Kの原型が次第に変わっていってます。

4月から僕の前に現れる時は目玉がおぞましい模様な時が増えたし、

今となっては髪の毛が若干抜け落ちている事があります。

木曜の深夜、来ました。

Kはもうほとんど原型がないくらい気持ちの悪い姿になっていました。

あそこまで変体しているのははじめてでした。吐いてしまいました。

精神には自信があるつもりでしたが・・・

先ほど、小柄な男と会いました。

近づかないようにしていた最初に遭遇した場所に何度も足を運んだ。

男は壁際にふらふら立っていた。こっちに気づいているのかどうかは分からない。

もう男の顔は何度も見ている。間違いない。

実体はある。 相当な力だけどなんとかなるかもしれない。近づく。

「お前は誰なんだ。お前に覚えは無いぞ」うつろな顔に話しかける

「~~~~~(聞こえなかった)だよ」 と言うや否や、

襲い掛かってきた。多少虚をつかれはしたが左足で制止し

右足で顎をはねあげる。人間冷静になると恐ろしい。

悲鳴を上げて男は転げまわる。

僕は男の首を掴み「お前人間か?」と訪ねた。

「ぎぃぃぃ ぎぃぃぃ」と言って暴れようとする。凄い力。浮かされそうだ。

たまりかねた僕は男の左肩を潰し力が抜けたところを

左腕を間接と逆方向にへし折った。けたたましい声が響き渡る。さすがにこんなところでも

人が来るかもしれない。また首を強く締め上げた。

泡を吹いて、もの凄い形相で僕を睨みつけている。

「人間かどうかはもうどうでもいいか。殺してやる。」殺す気は無かった。

不意に僕の服の裾が引っ張られた。知らない子供がいた。目がKと同じ模様だ。

男が何かしゃべった。向きなおすと、男もKと同じ模様の目だ。

唇や舌をひたすら噛んで血が出ている。右手が変な動きをしてた。

子供は何かを食べている。黒いもの。

「お前らはなんなんだ・・・・」と言うと、子供は走り去った。

男の顔が歪む。吐き気がするほど醜い。

下を見ると失禁している。首を持つ手を離してしまった。

しかし襲い掛からず男が何かを言っている。

顎と舌がボロボロなんで良く聞こえないが、一部確かに「俺らには関係ないのに」と言った。

「そうか・・・悪かったな。」と僕が言うと、男はゆっくりと立ち去ろうとした。

「Kはどうなってるんだ」って聞いた。答えは返ってこない。

そして男はどこかへ消えた。

怖い話投稿:ホラーテラー 達人さん  

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