短編2
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○○さんって

真夜中に友人とドライブに行った時の話しです。

私『そろそろ戻ろうか。帰りは来た道とは別の知らない道を走ろうよ。』

友人『そうだね、同じ道だとつまんないしね。』

車中で私たちはくだらない話しをしながら深夜のドライブを楽しんでいました。

途中で友人が

『ちょっと、ストップ、自販機で飲み物買うから停めて。』と言いました。

私は自販機を少し通り過ぎた所で車を停め、友人が戻るのを待ってました。

何気無くバックミラーで友人を見てみると白い服を着た若い女性と話していました。

私『あんな人、さっき居たっけなぁ~。』

友人が何事もなく戻ってきた為、私は車を走らせました。

しばらく走った所で私は友人に聞いてみました。

私『お前、さっき、綺麗なお姉さんと話してたなぁ~。』

友人『それが気付いたら横に居て、「○○さんですか?」って聞くから、「違いますよ。」って言ったら何も言わなくなったから、それ以上は話してない。』

私『何なんだろうね、でも、「○○です」って言ったら一緒にドライブ出来たかも。』

友人『あっ、そうだ、失敗したなぁ~。』

その後も会話を楽しんでいましたが、20分ぐらい走った所で今度は私が煙草を買う為に自販機の近くにまた停車しました。

自販機の近くにはBOX型の公衆電話があり中に女性がいました。

私が自販機で煙草を選んでいるとき気配を感じ振り向くと公衆電話にいたはずの女性が立っていました。

私『うわぁ~、何、何なんですか?』

女性『あなた、○○さんですか?』

先程、友人が聞かれた内容と同じです。

私『うわぁ~~~。』

私は叫び声をあげながら車に向かって走りました。

車で待っていた友人は私が戻ると凄い勢いで車をスタートさせました。

しばらく押し黙っていたのですが一部始終を見ていた友人が話し出しました。

友人『俺と話した女と同じ奴だ。電話BOXからすり抜けてお前の後ろに行きやがった。お前が走って戻ってる途中で消えやがった。何で時速90kmで走ってる俺たちの先回りが出来るんだ。』

10数年前の出来事です。

今となってはあの女性が心霊だったのかわかりません。

ただ、いまだに自己紹介等で○○って名前を聞くたびに思い出します。

あの女性は○○さんにどんな用があるのでしょうか?

もし、私たちがあの時、『○○です。』って答えていたら。。。

怖い話投稿:ホラーテラー インクスさん  

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