短編2
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挨拶

私は深夜に配送の仕事をしています。

今回も軽めの体験を一つ

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あれは今年の上半期中のことでした。

その日も埼玉の観光都市回りをしていました。

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深夜一時を過ぎた辺り

仕事も半分と、ちょっと終わった位

もうすぐ終わりが見えてくる頃

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いつものように台車に荷物を乗せ

いつものように所定の場所に荷を下ろし

いつものように店員に挨拶し店を後にする

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はずでした。

荷下ろしまでは普通に済んでいました。

そこまでは・・・

店内には私とバイト店員とその友人でしょうか二人ほど

合計4人がいたと思います。

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入店した時台車を押しつつ

店内に人がどの位置にどれくらいいるか

売り場を通りながら確認するのが

ある種の癖と言うか職業病となっています。

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確かにその時は私を含めて4人だったのを覚えています。

誰か新たに店に入れば必ずお決まりの音が流れますから

間違いなく4人しかいなかったはずです。

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荷下ろしを終えて退店時は必ず一言

「毎度ありがとうございました」

と店員に声を掛けて帰ります

その時も店から出ようと店員とその友人らが奥のレジ付近で談笑している所に声を掛け正面に向き直し一歩踏み出しました。

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「おや?」

一瞬違和感がありました。

右目の端に人影を捉えました。

コンビニによくある支払いやチケットの端末の前に女性が立っています。

正確には店員に声掛けながら正面に向き直るその動きの中視界の端に入り込んだ女性

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軽く頭を下げている・・・

要は私がした挨拶に応えるようなタイミングで女性の頭が下がるのが見えた。

「あれ?あんなとこに人がいたのか、気付かなかった・・・」

そう思いつつも車に乗り込んだが違和感が拭えない

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どうにも気になったので、帰り際店内がよく見えるようゆっくり大回りで店からでました。

が、

女性など居ません

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黒髪ストレートに薄い桃色の服

の女性がレジで支払いをしていることが見えれば安心できたのですが、

残念ながら店員とその友人が変わらず談笑しているのが見えただけでした。

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薄気味悪いとか怖い印象はありませんでしたが

また一つこのコースに特徴が増えてしまいました。

「明日もこのコースなんだよなぁ」

その時は残りの日数気が重かったのを

おもいだします。

Concrete
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