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中編3
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電話

午後4時。

妻の明美はスーパーで買ってきた品々を調理し始めていた。

スーパーで買ってきた材料を見る限り今日はカレーの様だ。

明美には9才になる一人娘がいる。娘は友達の家に遊びに出掛けていた。

明美「よぉーし!じゃあ今日は美奈(娘)の好きなカレーを作ろうかな!」

明美がジャガイモを半分にザクッと切った時、丁度電話が入った。

―プルルルル

―プルルルル

―プルルルル

明美「電話かぁ、美奈からかしら?」

そう言って電話にでると、多分5才位の女の子だろう、その子が「今、○○駅に居るの」と言ってきた。

イタズラ電話なのだろうか。明美は不思議に思い「間違い電話じゃあないのかな?お母さんに電話を掛けてるの?」そう聞き返した。

女の子「・・・・・・・・・」

―プープープープー

電話は切れてしまった。

明美は受話器を耳から離し、不思議そうに見つめた。

「何だったんだろうね。」一人言を言い、キッチンに戻りまたカレーづくりを始めた。

4時30分。

カレーは、あとルーを入れて煮込むだけだった。

「よし、じゃあ最後にルーね」ルーをカレーに入れようとした時、電話が鳴った。

―プルルルル

―プルルルル

―プルルルル

「んっ?また電話?」

明美は少し半信半疑になりながら電話に出た。

明美「もしもし」

「・・・今ね、○○市の交番にいるの」

あの女の子からだった。

明美はまたか、と思いつつこう言い返した。

明美「ねえ、君が掛けてきてる電話番号は違うのよ。だから・・・」

電話は明美がしゃべる間に切られてしまった。

もう、何なのよ。明美はため息をつき、カレーづくりを始めた。

4時45分。

カレーが香辛料の良い香りを出しながら、明美はリビングで一人ゆったりしていた。これで夕食の準備は終わり。雑誌でも読んで娘と夫の帰りを待つ事にした。

その時である。

―プルルルル

―プルルルル

―プルルルル

また電話が鳴ったのである。明美はまたあの女の子からかしら?と少しイライラした気分で電話に出た。

明美「もしもし、何度も言ってるけど間違ってるわよ!」少し強い口調で言ってみた。

女の子「・・・・・・今ね、あたし、包丁持ってるの。それでね、○○市の郵便局にいるの」

―プープープープー

やっぱりあの女の子だった。それに何故包丁を持ってるんだろう?明らかにおかしすぎる。明美はイタズラなのか本当なのか分からず、背筋がヒンヤリとした。

明美「・・・ん、ちょっと待って」

明美は考えだした。

確か、あの女の子は駅にいて、次電話してきたときには交番にいる。そして今郵便局にいるのだ。

あの女の子が本当に言ってるとしたら・・・。

明美は手に汗をかきはじめた。

なぜなら、あの女の子が電話して話してくる場所・・・駅→交番→郵便局

この場所たち・・・。

明美の家に段々と近づいて来ている。

ドクン、ドクン、ドクン。明美の鼓動が早くなってきた。それと同時に小刻みに震えだした。

午後5時。

そして、そんな恐怖に怯えながら明美は電話が掛かって来ないように願った。

だが・・・

―プルルルル

―プルルルル

―プルルルル

電話が鳴った。

明美「いやぁー!」

明美は半泣きになりながら肩を抱いた。

―プルルルル

―プルルルル

―プルルルル

その電話は明美が出るのを待っているようだ。

鳴りやまなさそうにないので、明美は震える手で電話に出た。

ドク、ドク、ドク、ドク

明美の鼓動は最高潮に達していた。

ガチャ

「も・もしも・・・し・・・」

「今、あなたの後ろにいるの」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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