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短編2
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イタズライライラ

夜中まで勉強をしていた。

明日までにやらないといけない宿題は、およそ一日では終わることのない量だったから「こんなの無理だよ!」と弱音を吐きながらちょっとずつ進めていった。

暫く集中していたのだけど喉が乾いて集中力はどっかへ消えてしまった。

これではダメだと自分に「水を飲むためにあと一問」とか縛りをつけてペンを動かした。

もうあと二、三文字書けば一段落するところで、ペンのインクが切れたのか、文字がかけなくなった。

「なんでこんな半端でかけなくなるんだよ」といいながら違うペンを使う。

けれど、それもインクが出ずもうどうでもよくなり、座っていた椅子の背もたれに寄りかかって、もうちょっと倒れたら椅子ごと倒れますぜっていうところまで来て、とりあえず一旦休憩にして水を飲みに台所に行った。

それから、麦茶が切れていて「何で誰も汲んでないんだよ」と兄弟にキレながら自分の部屋に戻る。

するといつ落ちたのかペンが床をコロコロ転がっていた。落ちる音が聞こえないくらいに意識がもうろうしてたのか?と思ったけど、「まぁそんなこともあるわな」と片付けて、拾い上げたペンで何気なく手に犬の顔を描いた。

改心のできだと自分を誉めていたときに気づいた

「あれ?書けるじゃん」

先程までインクが出なかったペンは嘘のようにすらすらとインクを伸ばしていく。

床に落ちた拍子にかけるようになったのだろうと片付けた。

そこでふと思いだして、先程描いた犬の顔を友達に写メして送ろうと手に目を向ける。

そこには犬の顔と描いた覚えのない文字が親指に書いてあった。

それは一言「かけるよ?」と。

Concrete
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