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短編2
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光る人型

 大学の頃、T県のK市に住んでいた。

 当時一年生。人生で最初の心霊体験をする。

 バイトもせずに親の仕送りだけで生活していた俺は自転車で自宅から五分程度の距離にあるスーパーに買い物に行った。昼飯を買うために。

 講義がなかったんでそれを家で食うために帰る途中。

 そこは団地? なのか周りは路地と背の高い集合住宅がたくさんあった。

 それは某会社の社宅で、全盛期はかなりの居住者がいて賑わっていたらしいが今ではその数も減少し、どの集合住宅も人が住んでいるのか? と思いたくなるくらいに廃墟感がやばかった。

 これは夜に見るとマジで不気味。

 だが今は昼間なので特に怖いと思うようなことはなかった。

 なので、腹減ったなとか考えつつ自転車を漕いでいると、ちょうど十字路に差し掛かるようだった。周囲を確認し誰も何もいないことを見てそのまま直進しようとする。

 その時だった。何の前触れもなく、眩く光る物体が進路上に急に出現した。

 したように思えた。

 眩しいやら吃驚するやらだったが急ハンドルで進路変更。

 急停止した。

 光物体は現れた時と同じ唐突さで影も形もなかった。

 辺りをよく見渡してゾッとした。

 目の前には大きめの葬儀場があったからだ。

 光物体は蛍光灯を直視したくらいの眩しさでそれを人型に切り取ったような感じだった。

 そして、停止していたのではなく、こちらに向かって歩いてきた。

 そして、何より怖かったのが避けきれなかった。

 俺は光る人型にぶつかっていた。まあもちろん感触も何もなかったが。

 人型が消えたのがその後だ。

 直感であれは霊魂とかそういう感じのものだと思った。

 それにぶつかったことで憑かれたのではないかと思い大変恐怖したことを覚えている。

 まあ今にして特にそのことで実害とかはなかったが。

 あれは何だったんだろう

 

Concrete
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