これは私が18の時に
実際に経験したある夏の話です。
8月に入ったばかりの頃、免許取り立ての友人Tが「6人位で肝試しに行かないか?(少人数は怖いから)」と言い出しました。
場所は神奈川県○○○市にある廃墟病院です。
知ってる方は知っている有名な心霊スポットで、その手の雑誌に掲載される様な廃病院です。
私は帰りたかったのですが皆の盛り上がりの流れも有り、1人帰りますとは行かず…
参加しました。
深夜1時。廃病院到着。
大きい道路から離れ、裏路地にあるその病院は有名な心霊スポットでの悪戯防止でしょうか。
進入禁止の為の、鉄板のような板で院内を囲む大きな庭ごと、鉄板壁に囲まれ、外からでは中が見えない様になって居ました。
街灯はポツンポツンとしか無く、車のライトを消すと暗闇に包まれてしまう程の暗さで、鉄板壁の小さな穴や隙間から中を覗いても暗闇しか見えず、何も分からない状態でした。
「ここまで来たのにどうするか」という話になって居ました。ああだこうだ議論されてる内に、
段々と暗闇に目が慣れてきた 私は友人kと2人、鉄板壁の隙間から中を覗きました。【…森】
木が覆い茂り、隙間から見えた廃病院は森と化していました。
「木が凄すぎて全然院内が見えないね」等と話して居た瞬間 、
キャハハハハハハハハハハハハ
「?!」
「なに?なに今の!!」
パキッ…パキッ……
……?!
後ろに誰か居る?!
急いで振り返りましたが私の後ろには…
誰も居ない。
でも確かに
甲高い女の笑い声と
落ち葉を踏みつける様な足音を聞いた私は慌てて皆に「もう行こう!」と切り出しましたが
皆にはどちらも聞こえてなかったのです。
更に友人3人は鉄板壁の外された場所(有名心霊スポットだから誰かぶち壊して外した風の穴)を見つけ、病院がある茂みの中へ消えて行きました。
1人は「俺は行かない」と車内に残り、
(私を含めた)
残り2人は鉄板壁の入り口辺りで立ち止まった状態でした。
どうする?どうする? ここに立って居たくない…
く…車…
私達も車内に居ない?
と、車を見ると車内で1人待っていた友人が青ざめた顔で小刻みに震えて居ました。
━━車内に戻ると
友人が青ざめた顔でブルブルと震えていました。
私達は慌てて
車に乗り込み
「大丈夫??」
「なにかあったの!?」
何を訪ねても
友人はうつむき、
ただ黙っている姿は
不気味で 恐く
早くここから
離れなければ!!
遠くに…遠くに行かなきゃ!!
もう1人の友人が
「k達…遅くない?!さっきからかけてるんだけど携帯繋がらないよ!!」
?!
考えてみたら
廃病院に進入してから
30分以上経過してるのに連絡が無い。
そんなに長居出来る場所は無いはずだし、
鉄板壁1枚のはずなのに皆の話声さえ
聞こえないよ…
慌てて私も3人の携帯にかけましたが何度かけ直しても繋がらない。
「3人全員圏外っておかしくない!?」
先ほどの甲高い笑い声が耳から離れず
パニックになっていた
私は車から降りる気に
なれず、迷った挙げ句
深夜でしたが
クラクションを鳴らしました。
ブワァアアアアアァアアアアア
これなら静まり返った
暗闇の中に居る友人達に
確実に聞こえるはず。
近所迷惑だと
誰かが怒りに
来てくれる事にも
望みをかけ…
しかし、友人達は
出て来る気配が無く
静まり返った暗闇の中に
ポツンと置かれた
車の中で待って居る
状況自体が
怖くて怖くて
1時間経過した位で
友人もこの状況に
耐え切れなくなったのか
「く…車出す?」
…置き去り?!
それはダメだよ、
ダメダメ!!
「じゃあどうするよ!見に行ける?」
「……」
その時
ガサガサ
車のライトで
照らされながら
友人達が歩いて来ました。
『良かった…良かった』
「早く!!早く
みんな乗って!」
無言で車を出すK。
その横顔は何だか
怖いくらいで
中で何があったのか、
1時間も何をしてたのか
色々訪ねたかったのですがなぜか三人共無言。
車は走り
━134━海岸沿いへ。
未だ静まり返った
車の中、
ずっと一緒に友人が
他4人に対し
「…何か…みた?」
それでも無言だったので
私が話をしようとした瞬間、
車が突然
ガードレールに衝突
一瞬で目の前が白い霧?
視界が真っ白になり
気を失いました。
気がついた時は
道路(歩行者)に出され横たわるような体制に。
救急車はまだ来ず、
パトカーだけが
クルクルライトを回して居ました。
他のみんなは?!
辺りを見回すと
皆無事な様で、
軽く足や腕から血を
流してる程度の傷でした。
私も頭をガラスに
ぶつけてちょっと
切れた位で、
皆無事で良かったと
ホッとして帰路につきました。
あの時、
廃墟病院で
何が起きたのか
Kに聞いた所、
茂みをよけながら
歩いてたら
突然ボロボロになった
病院が出てきた。
『おお~♪』
落書きがされていて
皆好きだなと思いながら
院内に進入してすぐに
カルテが有り、
神経痛・死亡。
と記入されていた。
神経痛で人って死ぬのか位で気にせず
懐中電灯を照らしながら歩いてると
廊下がギシギシと
音を立て
歪み、二階に行けるのかとウロウロして居たら
突然目の前に
霊安室が現れ、
三人で固まって
動いて居たが
一気に恐くなり
『でよう!!』
その時は
まだ10分程
経過した位だったらしく
とにかく着た道(通路)
を戻ればと歩いたが
何故か出口が無い。
三人で手分けをするかと
一瞬バラバラになったが
あまりの恐さに
結局3人で行動し、
ひたすら出口を探した。
裏口の様なドアを見つけ
開けようと試みたが
外からチェーンで巻かれ
内側から幾ら叩こうが
ビクともしない。
その時 1人が白っぽい人影を見つけ、
『誰だ??』
と暗闇に話し出し、
他2人は恐さを増し
パニックになり
『出してくれ~!!』
『おーい!』
その瞬間
ブワァアアアアアァアアアアアァアアアアア
車のクラクションが遠くで微かに鳴り、
あっちから聞こえた!!
歩き回ってる内に
何度も探し
通ったはずの場所に
最初の出口が有り
何とか出てきた時は
疲れきり、
出口のない恐怖で
皆 無言だったと
言うのです。
携帯は電波があるのに使えない状態だったと…。
そして
そして6人中、
あの甲高い
女の笑い声を
聞いたのは
私の他、
もう1人。
車内にずっと残って震えていた彼でした。
彼は甲高い女の笑い声を
右から左に通り過ぎるように
聞こえ
白っぽい何かが
廃墟病院に入る
3人の後ろで
揺れて居たのを目撃し、
あまりの恐怖で黙って震えて居たと言うことでした。
しゃべったらアイツがコッチに来るんじゃないか…
そして
運転していたKがなぜ
真っ直ぐの134でハンドルを切り損ねたのか。
Kが「はぁあ…出れた…出れた…」と頭で復唱しながら運転して居て
突然目の前に白い何かが現れ
ヤバい!!と
ハンドルを切り
ブレーキをかけた
結果が
ガードレールに衝突。
何人かが目撃した
白いのが
何なのかは解らないし、
今では
あの時クラクションを
鳴らさなかったら??
深夜に
非常識なことをした
自分が正しかったと
思える最初で最後の
行いです。
あれから
あの廃墟病院へは
恐ろしくて
近づいてなく、
私はあの時の
グループから抜け
今では連絡も
取って居ないので
皆が元気なのか分かりませんが
私はあれから
見たり
聞こえたり
触られたりするように
なりました。
次回は
たまたま通りかかった
有名心霊スポット
神奈川県鎌倉Kトンネルでの出来事を
機会がありましたら話したいと思います
怖い話投稿:ホラーテラー M美さん
作者怖話