私が小学生の時に体験した話です。
当時、何故か私は髪の長い女性が怖くて仕方がなかった。
別にホラー映画を見たからとか、そういうわけじゃなく。
理由は分からなかった。
ある日、遊んでいたら遅くなってしまったので、急いで家に帰ろうと走っていた時
いきなり右手に蜘蛛の糸を掴んだような感触がした。
2本の長い髪だった。
一瞬、驚きと恐怖で固まってしまったが、とりあえず髪は捨てて全力疾走で家に帰った。
その日以来、不意にポケットに手を突っ込むと蜘蛛の糸のような髪が絡まってくるような事が何度かあった。
そしてある日の夜中、突然目が覚めてしまった
その時、私は痛いくらいの視線を、頭の上の方に感じた。
見たくないのに
見てしまう
女の人がいた。
髪の長い。
微笑んでいる感じがした。
翌朝、布団には一面に長い髪がびっしりと絡まっていた。
当時は、恐怖というより不思議?な感じがした。何故かは分からない。
本当に怖いと思ったのは、塾の帰りのバスでの出来事だった。
もう10時くらいで人は殆ど居ない。
その時、停留所で人が乗ってきた。
背筋が凍りついた。
女の人。
髪は長い。
顔を見る前に私は即座に目線をそらした。
初めて恐怖で震えた気がした。
その人は辺り何も無い停留所で降りた。
見たくないのに…
見てしまう
その人もずっとこっちを見ている。
微笑んでいる感じがした。
怖い話投稿:ホラーテラー とくじさん
作者怖話