最近自転車利用者への職質が厳しくなってきてる。
彼女を後ろに乗せて家まで送った帰り道、余りに退屈だったから友達と電話で話ながら帰ろうとしたんだ。
携帯片手に運転することは違反だって分かってたけど、さっき彼女と二人乗りしてても警官と会わなかった道だから平気だと思って。
で、友達に電話したんだけど『風とか周りの声とかの騒音で聞き取れないから家着いてから電話しろ』ってさ。
「人通り少ない道入るから(笑」
と裏道に入ったとこで警官とばったり‥‥
『いやそうじゃなくてお前‥』
なんか喋ってたがポケットにしまって警官をやり過ごそうとした。
まぁ結局止められて注意されたんだけど。
内容が「そこの二人乗り止まりなさい」なわけ。
警官が冗談言う訳ないし本気で怖くて後ろ振り向けなかった。だけど警官の方見たらもっとヤバかった。
警官の腰の辺りであり得ないくらい不気味な女がしゃがんで何か呟いてんの‥
めちゃくちゃ怖かったけど今の内にこの場から去りたくて、とにかく防犯登録とかすぐに終わらせて警官の方見ないように超ダッシュで家まで帰ったんだ。
そして今あったことを誰かに伝えたくて携帯出したら゙通話中゛‥
切るの忘れてたわ
(てか普通切るだろ‥)とも思いながらかさむ通話料金の事を不愉快に思いながら「モシモシ」と友達に言った。
すると友人は『女と一緒ん時にかけてくんなよ!てか何警察に捕まってんの?(笑』
警官とのやりとりが筒抜けだったみたいだ
俺の恐怖も何も知らずに‥‥
って思ったが、その言葉で違和感に気付いた。
職質されたのは俺が二人乗りしてたからで‥‥でも俺に憑いてた女は警官に憑いて俺からは離れたはずなのに、警官は俺がツレの女を置いて行ったことになんの反応も示さなかったよなぁ。
『いい加減にしろって!』
友人は受話器の向こうで怒鳴っていた。
携帯を拾って「なぁ‥何で後ろに乗ってたのが女ってわかんの?」
とりあえず聞いてみた。
すると友人は『まだやんの??受話器のあんなそばで声聞こえ続けたら分かるだろ普通!警官とお前が喋ってる時以外ずっとなんか唸ってただろ』
(警官と話していたとき以外‥?‥?)
『てか今だって顔密着するくらい近くで何か言ってんだろ!?そういう冗談(惚気)は本気でムカつく!いたずらにもなってねぇよ!ただの嫌がらせだぞ!!』
俺は携帯を投げ捨て外に飛び出し、その場を離た。
怖い話投稿:ホラーテラー 紺野古書古本屋の藍(あお)さん
作者怖話