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短編2
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呟怖その四

第一話「避ける」

 バスの中で明らかに人ではない者を見てしまった

バスの中央、着物を着た女の子が、手に血塗れの手毬を持って立っていた

絶対にヤバい

直ぐにボタンを押し、その娘の横を通り過ぎ急いでバスを降りた

直後、後ろに気配がし振り向く

あの娘がいた、ニタニタしながら口を開く

何で避けたぁぁ?

第二話「ズットイッショ…」

『キョウカラズットイッショダヨ!』

抱き上げた人形から、機械音声が鳴った

「私これがいい!」

娘は大層気に入ったようだ

早速人形を持って売り場のレジへと向かう

財布を取り出しながら、

「この喋る人形、娘が気にいったみたいで」

と俺が言ったら、店員が

「これ…喋りませんよ?」

第三話「お盆帰り」

 御盆に帰省した時の事だ

沢山の人が集まった、中には知らない遠い親戚の者もいたが、場は宴会騒ぎとなった

翌日、二日酔いに悩まされつつ昨日の事を爺さんに話すと、昨日は自分と婆さん、そしてお前だけだったと言われた

それを聞いて俺は苦笑し、昨日帰って来てたんだなと、一人納得した

第四話「湖畔」

 湖畔でキャンプしていた時、ふと目が覚めテントから出ると、目の前に異様な光景が広がっていた

水面から無数の腕が生えていた

しかも花の様にユラユラと漂っている

愕然としていると、腕は突然狂った様に水面を一斉にバシャバシャと叩き出し、こちら目がけて迫ってきた

無我夢中で逃げた…

第五話「カカシ」

 田んぼで兄と遊んでいると、カカシを見つけた

そのカカシを弄って遊んでいたら、兄がカカシの首を折ってしまった

慌てて逃げるようにして家に帰ったその夜、兄が家から消えた

翌日、昨日遊んだ場所を探していると、田んぼの真ん中に首の折れたカカシと、兄と同じ服を着たカカシが立っていた…

第六話「拾う…」

「お帰り母さ…また拾ってきたの?」

「ただいま優君、ごめんね、見過ごせなくてつい…」

「ただいま~」

「あらお父さん、おかえりなさい」

「ん?お前また拾ってきたのか?」

「ごめんなさい…」

「はぁ……」

うちの母さんは直ぐ拾ってくる癖があって困ってる

あ、犬猫ではなくて…

Concrete
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