第一話「いらない子」
「お前はもういらない」
見た事もない人形を大事そうに抱き抱えた母に、突然そう言われた
愕然とする私、だが次の瞬間、世界は暗転した
目を覚ますと、私はベッドの中にいた
部屋を出て下に降りると、父や母が仲良く食卓を囲んでいる
見ると何故か私の椅子に、あの人形が座らされていた
第二話「牛の首」
「ねえねえ、牛の首って話知ってる?」
「もう由美、唐突に何?」
「聞いてって、聞くとその怖さで死んじゃうらしいのよ」
「はは、何それ、じゃあアンタ何で死んでないのよ?」
「えっ?」
その途端、由美の顔が真っ青になり、突然口から大量の赤黒い泡を吹きながら…目を見開き、絶命した
第三話「夜川」
心地よい夜風が、川面に波を立てている
橋の上から眺めていると、ふと水面に、橋の手摺に座り、私と同じように川を眺める少女の姿が映りこんだ
振り向こうか迷った
だってもし実在しない人だったら?
何てね
くすりと笑いながら振り返る
同じ顔の少女が三人、此方をじっと見ていた…
第四話「酔いどれの戯言」
「俺は人を殺した事がある」
と、話かけてきた男と出会った
前科者のようで、それ以外にも沢山の悪事で捕まった話なども聞かせてもらった。
「いや~ほんと色々やらかしたんですね、ちなみに殺人って、何年ぐらい刑務所に?」
「あ~それはまだだな」
速攻で逃げた。
友人談
第五話「不安な山」
祖父が山登りをしていた時の話
すれ違う登山客が口々に
「今日は絶好の登山日和ですよ」
と、気持ち悪いくらいに繰り返し言ってきた
流石に怪しんでいると、祖父はその異変に気が付いた
少し前に通り過ぎた登山客と、同じ顔をした人物が降りて来たのだ
祖父はその日、迷わず下山したそうだ
第六話「山の地蔵」
死ぬつもりで山に登っていた最中、見も知らぬお爺さんにお茶を一杯ご馳走になった
お礼を言おうと振り返ると、そこには誰もいない
が、どことなくお茶をくれたお爺さんによく似たお地蔵様が一体、ぽつんと、野脇に据えられていた
「また来ます」
そう言って手を合わせると、俺は家路に着いた
作者コオリノ
貯まってきたので消化。
*呟怖とは、Twitterにて#呟怖と付ければ誰でも投稿できる、136文字以内の、人怖、都市伝説、創作もしくは実話怪談の怖い話。
最近執筆したもの→「魂魚遊戯」http://kowabana.jp/stories/31856