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短編2
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呟怖その五

第一話「いらない子」

「お前はもういらない」

見た事もない人形を大事そうに抱き抱えた母に、突然そう言われた

愕然とする私、だが次の瞬間、世界は暗転した

目を覚ますと、私はベッドの中にいた

部屋を出て下に降りると、父や母が仲良く食卓を囲んでいる

見ると何故か私の椅子に、あの人形が座らされていた

第二話「牛の首」

「ねえねえ、牛の首って話知ってる?」

「もう由美、唐突に何?」

「聞いてって、聞くとその怖さで死んじゃうらしいのよ」

「はは、何それ、じゃあアンタ何で死んでないのよ?」

「えっ?」

その途端、由美の顔が真っ青になり、突然口から大量の赤黒い泡を吹きながら…目を見開き、絶命した

第三話「夜川」

心地よい夜風が、川面に波を立てている

橋の上から眺めていると、ふと水面に、橋の手摺に座り、私と同じように川を眺める少女の姿が映りこんだ

振り向こうか迷った

だってもし実在しない人だったら?

何てね

くすりと笑いながら振り返る

同じ顔の少女が三人、此方をじっと見ていた…

第四話「酔いどれの戯言」

「俺は人を殺した事がある」

と、話かけてきた男と出会った

前科者のようで、それ以外にも沢山の悪事で捕まった話なども聞かせてもらった。

「いや~ほんと色々やらかしたんですね、ちなみに殺人って、何年ぐらい刑務所に?」

「あ~それはまだだな」

速攻で逃げた。

友人談

第五話「不安な山」

祖父が山登りをしていた時の話

すれ違う登山客が口々に

「今日は絶好の登山日和ですよ」

と、気持ち悪いくらいに繰り返し言ってきた

流石に怪しんでいると、祖父はその異変に気が付いた

少し前に通り過ぎた登山客と、同じ顔をした人物が降りて来たのだ

祖父はその日、迷わず下山したそうだ

第六話「山の地蔵」

死ぬつもりで山に登っていた最中、見も知らぬお爺さんにお茶を一杯ご馳走になった

お礼を言おうと振り返ると、そこには誰もいない

が、どことなくお茶をくれたお爺さんによく似たお地蔵様が一体、ぽつんと、野脇に据えられていた

「また来ます」

そう言って手を合わせると、俺は家路に着いた

Concrete
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