そして、私は…
それから数日後に、あのモノの正体を知る事になります。
夕方から降りだした雨が夜になってさらに強まり、私の部屋には雨の音だけが響いていました。
仕事から帰宅した私。
時間は夜の9時。
雨でずぶ濡れになった洋服をハンガーに掛け、シャワーを浴びて、少しテレビを見て、そしてロフトへ上がり、12時位には眠りについていたと思います。
……ズルッ、ズッ、ズズッ
私は、雨の音に混ざって聞こえてきた、その異様な物音で目が覚めました。
時間は…夜中の3時。
とっさに数日前の出来事が頭をよぎり、同時に、この前の時よりも、もっと嫌なものを感じました。
『無理してでも寝た方がいい…』
そう思い、もう一度目を閉じて無理やり寝ようとしました。
ギギッ、ギギッ、……
…ロフトへのハシゴがきしむ音…
あのモノは物体じゃ無いはずなのに、その日は何故か物体が存在する感覚を感じました。
途切れ途切れの息づかい、重いものを引きずるような移動音…、雨の音に混ざって聞こえくる、
そのモノが発する音が私の恐怖心を煽り立てる。
『上がってくる、あれが、上がってくる……』
ザザッ……!!
それは、私のパジャマの裾を掴んで私を下の部屋に力ずくで引き落とそうとしてきました。
私は、恐怖心で目を開く事が出来ず、目をつぶったまま必死に落とされまいと抵抗しました。
『消えろっ…!!』
心の中で強くそう思った瞬間に、裾を引っ張られる感覚が無くなり、ホッとしたのも束の間、まだ異様な気配をどこかで感じていました。
『まだ近くに居る……』
意を決して、恐る恐る目を開けた私は、次の瞬間、心臓が破裂するぐらい驚きました。
真っ黒い影の塊が私に添い寝するように、私の枕に顔を並べて、私を見ている。ただの黒い塊なのに、不思議なことに、それは女の人で、しかも、私を何処かへ連れて行こうとしているんだ………と、
そう感じた瞬間に心臓の鼓動が物凄く速くなって、冷や汗が身体中から吹き出て、気が遠くなって……
……ピピッ、ピピッ、
携帯の目覚まし音…
時間は朝の6時。
また気が付くと朝になっていました。
『やっぱり、変な夢なんだ…』
昨日の雨が嘘であったかの様に、晴れ渡った空からはロフトの小窓へ陽が射し込んでいました。
その景色に心がホッとした私は、携帯の目覚ましを止めようと、布団から体を起こし、折りたたみ式の携帯を開きました。
カチッ!
…携帯の待受画面が視界に入った瞬間、私は、身体中から血の気が引きました。
そこには、大きく目を見開いてこっちを見つめているあのモノの顔が写し出されていたからです。
『あれは、夢じゃない……?!』
そう思った瞬間、さっきまで明るかった部屋の中が急に真っ暗になって、起きていたハズの私の体は何故かまだ布団の中。
『……何で!?』
そう思った時、夜明け前の薄暗いロフトの端っこから、ちょうど、ハシゴから顔を半分覗かせるような感じであのモノがさっき私が見た携帯の待受画面と同じ顔をして、こっちを見ていて、、
「……イッショニ、イコウヨ………」
『……………!!』
……気が付くと、携帯の目覚ましが鳴っていました。時間は朝の6時。
私は、布団から体を起こすと、恐る恐る、目覚ましを止めるために携帯の待受画面を開きます。
『……………ふぅ』
…そこにあったのはいつもの待受画面でした。
:読んでくれた方達へ、
読みにくい文章を最後まで読んでくれてありがとうございました。
それから、前編のコメント『続きはWebで!』かなり笑えました。面白いコメント期待してます。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話