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短編2
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続・父の過去

父親は車のスピードを落とし、ゆっくりと話し始めたそうです。

「お父さんは昔、やっちゃいけない事をしてしまったんだ。毎日、毎日とても辛くって…。もう生きて行く自信が無いんだ…」

「お母さんには悪いけどお前、お父さんと一緒に来てくれるか?」

父親が何を言おうとしているのかがその時は分からなかったので、何も言えずにいたらしいが、目の前の父親はもういつも通りの優しい父親に戻っていたそうです。

家に着くと父親はいつもなら車庫に車を入れるのに、玄関の前で止めて車から降りる様に言ったそうだ。

このまま父親を一人、車に残して行ってはいけないと思い、そのまま座り込んでいたのだが、

「大丈夫。大丈夫。お母さんを呼んで来てくれるか?」

と言う父親の落ち着いた優しい声に、ためらいながらも車を降りて早く母親を呼ばなければと、玄関に向かい走ったその時、車が走り出したそうです。

走り去る車を見た時、後部座席に何か青い物が。

青いワンピースの……。

直ぐに母親に今までの事を伝えると、父親は今日は普段通りに出勤して行ったそうで、母親も心配になり急いで警察に連絡をしたそうです。

その日の夜、警察から父親が見つかったとの電話が入り2人で警察署に行くと、父親の乗った車が川の堤防から落ち、橋の橋脚に衝突しほとんど即死状態だったとの報告を受けた。

その時は丁度仕事帰りの車で堤防道路も混んでいて、父親の運転中の操作ミスが事故の原因として処理されたらしいです。

寮の先生はあの時に父親が言った言葉の意味を、今も理解出来ずにいるけど、父親の犯した事、青いワンピースの女、そして突然の事故。

それを繋いで行くとやっぱり自殺だったのかもしれない。それとも、あの青いワンピースの女に導かれたのかも、とも話してくれました。

ただ、父親が過去に犯した事が何だったのかが気にはなるが、知りたいとも思わないのだと言っていました。

怖い話投稿:ホラーテラー タッちゃんさん  

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