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短編2
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黒い子

皆さん小学生の時の校舎って覚えていますか?

僕が通ってた小学校は人数が少なく、1学年15~20人で1クラスしかありませんでした。

1年1組、2年1組といった感じでした。

1階は1,2年

2階は3,4年

3階は5,6年と言ったものでした

当時僕は5年生で

帰るときは6年生の教室の前を通って階段を降りなきゃ帰れないんです

教室の扉は横にスライドするタイプで放課後は基本開けています

いつも帰るときは友達とダッシュして6年の教室を横切るんですが

6年の教室を横切るときに毎回横目に見えるんです

先輩方と小学生低学年くらいの黒いおかっぱの男の子が

無意識にちらっと見えたときに立ち止まって友達と確認するんです

「今の見た?」

「黒いのでしょ?」

「こわ!」

こんな会話がよくありました

その黒い顔も見えない男の子なんですが、特に何かするわけでもなく

開いてる扉から見えるだけなんです

よし、はっきり見てやろうと意識して通ると居ないんですよ

あくまで無意識に視界に入る

ただ、見えるたび位置が変わってて

はじめは奥の窓付近の棚にいたり、それが机に腰を掛けたり

気のせいかも知れませんが

だんだんこっちに近づいてる気がしたんです

その日はクラスのガキ大将のM君と帰ろうと廊下を走り、6年の教室を横切りました

横切ったと同時に僕は6年の教室の扉の横で固まってしまったんです

「なに?どうしたの」

「今さ扉の横。壁からこっち覗いてたのが見えてさ...」

「今日も見たの?お前アレと目合わせてないよな?」

「たぶん黒い影みたいなのって死神とか言われてるらしいし、見られてても無視しろよ?」

「顔は見えないから大丈夫だと思うけど...分かった」

その日を境にソレを見ることはありませんでした。

当時の記憶なので自分を少し疑った事もありましたが

当時一緒に見た友人に聞いても見たと言っていたのであの出来事は事実だったんだなと改めて鳥肌が立ちました。

あれは霊だ、死神だと意識すると全く見えなくなったんですが

その存在を何かにカテゴライズしていない。無意識のうちに見えたモノとして捉えると見えてしまうのかも知れません

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