短編2
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○越市 喫茶店にて

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これも20数年前くらいだったと思います。

その頃、非常に霊感の強い彼女と付き合っていて、たまたま仕事が休みになった平日の昼間に

彼女の地元の駅近くの喫茶店でランチしながらコーヒーなど飲んでまったり話していました。

4人ほど座れるような窓際のソファー席で合い向かいに座っており

私の左側が通りに面したガラスになっていて、右側は喫茶店のセンター通路になっていて

窓際に寄るような感じでお互い座っていました。

お互い何となく会話に数十秒間が空き、私は右手で頬杖を突くような感じで窓の外をボンヤリ見ていました。

すると突然彼女が

なんなんだよ!

目の前に来られても私に何も出来ないよ!

的な事を怒った口調で言い出しました。

私はビックリして

あぁ?

何?俺なんかしたか?

的な事を言うと

あんたじゃ無いよ!

ヨコ!横!

と言うので自分の右隣を見ると、自分のすぐ横に身体の透けている髪の長い女性が正面を見て座っています。

うわぁ~!

と思わず声が出てしまい完全に腰の引けている私の前で

っつ~かさ~

人の彼氏の横に勝手に座んな!

的な感じの事を言ってかなり怒っています。

今思い出すと笑えますが、その時はビックリしたのと軽い恐怖でパニくってアワアワしてました。

来られても何も出来ないから、もう消えてくんない?

的な事を彼女が言うと

その女性は軽く頭を下げてフワッと消えました。

ちょっと冷静になって周りを見渡すと

他のお客さんがひそひそ話していてクスクス笑っている人もいました。

多分、頭のおかしなカップルの痴話喧嘩と思われたと思います。

なんだったのアレ?

と彼女に聞くと

私と話してる時にガラスの外の側道を通るその霊と目が合ったそうです。

嫌な予感がするなぁ~....

と思ったそうですが、案の定その霊は喫茶店の入り口から真っ直ぐセンター通路を彼女を見ながら

滑るように歩いてきて私の横にスッと座ったそうです。

気付かないふりして無視しようとしましたが

ずっと視線を送ってくるのと、私の横に座った事にちょっと腹が起ったとの事。

あんな真っ昼間のまばらとはいえ

人のいる喫茶店で霊って見えたりする事にもの凄くビックリした出来事です。

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