それは、ある眠れない夜のことでした。
なかなか寝付けず布団の中で、ゴロゴロと寝返りをうっていました。
どれだけ時間が過ぎたでしょうか。
なんとなく、うつらうつらしてきたその時、ドアの向こうからパタパタパタと足音が聞こえてきました。
近づいては遠ざかっていく足音なんて、いつもなら気にもしませんでしたが、今日は違いました。
足音がどんどん近づいてきます。
ガチャッ!!
「えっ?」
ドアが開いたのです。
なぜドアが開いたのか?なんてその時は考えもおよびません。
とにかく恐怖心でいっぱいなのです。
パタパタパタとその足音は近づいてきます。
「どうしよう、こっちに来る。」
布団に包まり身を固くする私。
張り裂けそうになるほど、ドクンドクン鳴り響く心臓。
足音が止まりました。
すぐそこに居る何者か。
恐怖で身動き出来るはずもなく…。
しばらくジッとしていたそいつは布団を掴み、そして一気にバサッ!!と捲りました。
「キャァァァァァァァァッ!!」
そいつは私に覆いかぶさってきたのです。
そこで目が覚めました。
そう、これは夢だったのです。
夢でよかった。ほんとに夢でよかった。
本当だったら今頃どうなっていたか…。
作者愛璃咲
体験したようなしてないような。
そんな夢のお話です。
ぜんぜん怖くはないですが、楽しくいただけたら幸いです。