短編1
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夜の訪問者

それは、ある眠れない夜のことでした。

なかなか寝付けず布団の中で、ゴロゴロと寝返りをうっていました。

どれだけ時間が過ぎたでしょうか。

なんとなく、うつらうつらしてきたその時、ドアの向こうからパタパタパタと足音が聞こえてきました。

近づいては遠ざかっていく足音なんて、いつもなら気にもしませんでしたが、今日は違いました。

足音がどんどん近づいてきます。

ガチャッ!!

「えっ?」

ドアが開いたのです。

なぜドアが開いたのか?なんてその時は考えもおよびません。

とにかく恐怖心でいっぱいなのです。

パタパタパタとその足音は近づいてきます。

「どうしよう、こっちに来る。」

布団に包まり身を固くする私。

張り裂けそうになるほど、ドクンドクン鳴り響く心臓。

足音が止まりました。

すぐそこに居る何者か。

恐怖で身動き出来るはずもなく…。

しばらくジッとしていたそいつは布団を掴み、そして一気にバサッ!!と捲りました。

「キャァァァァァァァァッ!!」

そいつは私に覆いかぶさってきたのです。

そこで目が覚めました。

そう、これは夢だったのです。

夢でよかった。ほんとに夢でよかった。

本当だったら今頃どうなっていたか…。

Concrete
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