長編8
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お願い、助けて

仕事の帰り道の路地裏で初めて幽霊を見た。

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見た目は、全身が黒く、影のようで、はっきりしない感じだった。

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幽霊は、ただ狭い路地裏で、何をするわけではなく、ただそこに立っていた。

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私は、この幽霊は、自分に害はないと確信し、しばらく幽霊を眺めていた。

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この時の私は、明日会社で今日の出来事を話そうとか考えていた。

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数分が立ち、何も動きのない幽霊に、私は飽きてきた。

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今の状況が退屈に感じてきた頃、複数の男性の笑い声が遠くから聞こえてきた。

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路地裏の奥の通り道に4,5人位の少し不良の雰囲気がする男子高校生が通りすがった。

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彼らが通りすがった瞬間、幽霊はふっと煙のように消えていった。

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「なんだったんだろう。あの幽霊は・・・。」

急に現実の世界に戻ってきたような感覚になった私は、急にこの状況と場所が怖くなり、急いで家に帰ろうと思った。

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振り向いた瞬間、私は大声をあげた。

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「わぁ!」

店のガラスに写る私の後ろに幽霊がいた。

私に手を伸ばし、あと少しで私の腕を掴もうとする寸前だった。

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女だということは雰囲気でわかった。

髪の長さは長く、汚いボサボサの髪の隙間から、目を力いっぱい見開いていて、血まみれの歯を食いしばりながら、やっと獲物を見つけたかのような表情だった。

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私は、本能的に腕を掴まれたら私は死ぬと思い、その場から逃げた。

マンションまで全力疾走した。

とにかく、あんなやつに捕まったらまずい。逃げなければ。

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とにかく私は、後ろを振り向かず、全力でマンションまで走った。

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やっとの思いでマンションの自室に着いた。

「はぁ、はぁ、なんだったんだ・・・。」

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鍵を開けて、扉を開けて、外に誰もいないことを確認し、すばやく扉を閉めた。

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私は玄関に入った瞬間、逃げ切れたという安心感に覆われて、玄関に座り込んだ。

まさか自分が心霊体験をする日が来るとは夢にも思わなかった。

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とりあえず、私は、その日、戸締りをしっかりして、部屋中の電気をつけて寝ることにした。

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次の日の朝、私は、初めての心霊体験談を会社の同僚に話した。

「昨日さぁ、あそこの路地裏で初めて幽霊見てさぁー。」

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すると、同僚があたかも話のオチを知っていたかのような口調で、私にこう言った。

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「あそこは何年か前に集団リンチがあって、なんとか逃げた女の子があそこの路地裏で力尽きて死んだ場所らしいよ。多分昨日見たっていうのも、そのリンチから逃げた女の子なんじゃない?」

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確かに、昨日見た幽霊は歯が血まみれになっていて、殴られた感じだった。

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「あぁ、そんなことがあったんだ・・・」

私は、この話を聞いて、恐怖心から可哀そうという同情の気持ちに変わった。

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男子高校生が通りすがった瞬間に素顔が消えたのは男性への恐怖心だったのだろうか。

私は近くの花屋で、一番安い、いろんな種類の花が入った束を買い、昨日の路地裏に向かった。

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理由は、こっちからちゃんと供養する姿勢をすれば、自分に何か起きる事はないだろうという考えだった。

幽霊を見た路地裏に花束を添え、そして手を合わせた。

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「もうこれで、私の身に何もないだろう・・・」

その日は家に帰った。

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夜中、目が覚めた。

壁にかかっている時計を見ると、時間は午前2時。

嫌な予感がする。もちろん、心当たりはある。

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すると「キィーン」という耳鳴りと同時に金縛りにあった。

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まったく動けない。

しかし目だけは動く。

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私は部屋の隅を見渡し、何もいないことを確認する。耳鳴りはおさまったが、その静寂がより私を緊張させる。

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数分が経った。

何も起きないのだ。

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しだい緊張もほぐれてき、目も暗闇に慣れてきて、この状況に慣れてきた。

「なんだ、なにも起きないじゃないか。」

そう思って体を動かしてみると、金縛りが解けた。

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安心しきって、体を起こそうとした瞬間、

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「お願い!助けて!助けて!まだ死にたくない!死にたくない!」

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私の目と鼻の先に女の幽霊が現れ、ものすごい声で私に訴えてきた。

「お願い!助けて!助けて!まだ死にたくない!死にたくない!」

私は気絶した。

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目が覚めたのは朝の7時頃だった。

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「夜中のアレはなんだったのか?夢だったのか?」

とにかく怖かった。女と目があったのだ。

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この前路地裏で会ったよう、目を力いっぱい見開いていて、とてつもない大声で叫ぶのだ。

気分がとても悪いが、私はいつも通り布団から出て、会社に向かう準備を始めた。

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仕事が終わり、まだ夜の出来事で気持ちが落ち着かなかった。

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考えがあやふやなままだが、夜中の出来事が夢であれ現実であれ、やっぱり今日家で寝るのは怖い。

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なので今日は、同僚に無理を言って時間を合わせてもらい、家に泊めさせてくれるよう頼んだ。

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夕方頃、仕事が終わり、二人で同僚のアパートに向かった。

「ごめんねー。無理に頼んじゃって。」

「いいよ、いいよ、気にしないで。」

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私は、同僚には昨日家で起きたことは伝えなかった。伝えると、泊めさせてくれないと思い、伝えれなかった。

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同僚の部屋は、普通の女性の部屋だった。

同僚の部屋に入ってからは、寝るまでの間、何も起こらなかった。

「このまま何も起こらなければいいのに。」

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私は、こんなに親切にしてもらっている事にとても罪悪感を感じた。

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なぜなら、私の今回のまだ終わっていない怪奇現象の真っ最中に同僚を巻き込んでいるのにも関わらず、のうのうと飯を食べ、お風呂場まで貸してもらい、布団まで貸してもらっている。

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私は、寝る前になんで家に泊めさせてもらったか白状しようと思った。

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「あのさ、この前会社で話した私の怖い話覚えてる?」

「え?そんな話したっけ?」

「したよ!集団リンチがあったって話だよ!」

「え~・・・集団リンチ?なにそれ?」

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・・・・。

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そんなはずはない。

だって、確かに集団リンチの話は同僚から聞いたはずだ。

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なんだか胸の鼓動が早くなる。

手汗が多くなり、動揺を隠しきれない。

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ダメだ。

ここにいてはイケない。

私の本能がそうさせる。

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「ごめん、私帰る・・・」

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座った状態から一歩前に出そうとし、玄関に向かって走り出そうとした瞬間、同僚が私の腕をわし掴んだ。

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同僚は下を向いていて、表情が全く見えない。

「離してよ!離せ!離せよ!」

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私は、自分の声がわざと隣の部屋に聞こえるぐらい大声で叫んだ。

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同僚は女とは思えない力で握ってくる。

絶対に逃がさないという気持ちが伝わってくる感じだった。

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すると同僚は、私を舐めるように、私に顔を下から上に向けた。

「お願い!助けて!助けて!まだ死にたくない!死にたくない!」

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私があの夜聞いたセリフだった。

同僚の表情は、あの女の幽霊の表情だった。

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私は必死に抵抗をし、なんとか腕を引き離そうとした。

しかし相手も強い。

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まったくびくともしない。

長い抵抗が続く。その時だった。

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私の正面にある姿見に何者かが立っているのがわかった。

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「なにあれ・・・」

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見た目はほとんどミミズで、目は真ん丸で眼球むき出し、歯は異常に大きいが歯並びはしっかりしているが、鼻はない・・・。なんだ?何が起きているんだ?

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「ふっ・・・ふふっ・・ぁは・・・」

笑っている。なんだコイツは。

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ミミズは、姿見から顔を出し、ニタニタ笑いながら同僚の足に噛みついた。

「ぎゃあああ!痛い!!いやだああ!なんで私なの!」

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同僚の声が、私の耳を貫き、頭に響いた。

「やだ!まだ団体のみんながいるじゃない!どうして私食べるのよ!」

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団体?

たべる?

なんのことだ?

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今、私の目の前で何が起きているんだ?

いろいろなことが頭を巡るが、状況は悪化するばかりだった。

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同僚は私の腕を強く掴む、ミミズは同僚の足を噛み、姿見に引きずり込もうとしている。私は窓の下の窓をスライドする細い隙間に指先でしがみつく。

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なんなんだ?なんで私はこんな事に巻き込まれなきゃならないんだ。

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(だいたい、どうして私がこんな思いをしなければならないの?私はなにも悪いことをしていない。私は集団リンチにあった女の子に花束まで添えた。だいたいコイツは会社に友達なんて私くらいしかいなくて、愛想がなくて、たまに腹の立つ女だ。)

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私は、なぜか怒りの感情が沸き上がった。

こんな感情初めてだ。腹が立つ、すごい腹が立つ。

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私はこの終わりの見えない状況にうんざりしてきた。

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・・・コイツを蹴ってしまおうか?

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私から同僚を引きはなせば私は助かる。

私は、同僚の顔面を蹴飛ばし、私の腕から引き離すことにした。

だって私は何も悪くないのだから。

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太ももを腰の位置まで上げ、顔面めがけて思いっきり蹴ろうとした時だった。

同僚が、突然小さく、優しい声でつぶやいたのだ。

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「え?・・・どうゆうこ・・・」

私の蹴りの勢いは止まらなかった。

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同僚の顔面に直撃し、その衝撃により私の腕から手が離れた。

「ぎゃああああああああああああああ!!!!!!!!」

同僚の絶叫が部屋中に響いた。

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「なんで!?なんでなの!」

同僚が姿見に引っ張られていくのは、ほんの一瞬のできごとであった。

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同僚はなんの痕跡を残さず、姿見の中に連れて行かれた。これは現実なのか?

この静けさ・・・。

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背後の窓から微かに入る月の光、車の走る音、私は、急に現実の世界に戻されたのだ。なんとなく、事が終わったような気がする。

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同僚が敷いてくれた布団がぐじゃぐじゃになっている。

私の腕はものすごい手跡がついている。

やっぱり夢じゃないんだな・・・

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私はこの後すぐに警察に通報しました。

もちろん、事の全てを伝えました。

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最初は、私の犯行により同僚は行方不明になったという事になったが、証拠不十分により、無罪となった。同僚は今も行方不明だ。

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私が体験したこの怪奇現象はここで終わりですが、不可解な点がいくつもあります。

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一つ目は、同僚はなんで集団リンチの事を知っていたのか。

二つ目は、同僚の口から出た「団体」という言葉。

三つ目は、「ミミズ」の正体。

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これは私の推測ですが、おそらく集団リンチにあった女の子は、もともとどこかの宗教団体に入っていて、なにかしらの理由でリンチにあっあのではないか。そして、あのミミズは。その宗教団体が崇める、「何か」ではないかと思うのです。

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幽霊を見ても、何もいいことはありません。

一番怖いのは人間です。

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理由は、今、こうやって私がいきているのだから。

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