私ですね、趣味で山登りするんですよ。
つっても、普通に登山道を歩いて山頂目指すんじゃなくてですね、
ターゲットの山の周りを歩いて入れそうな隙間から入山して、ありのままの山の中を歩くっていうのなんですけど。
その日も私は、隙間から入山して山の中を歩いていたわけです。
ある程度登ったところで「そろそろ引き返しますか、」て下山しようと振り返りますと、10本くらいの木の幹に赤いペンキで大きく字のようなものが書いてあるんですよ。
でも、これは特別珍しいことでもないんです。確かに数は多いですけど、幹に赤ペンキは割とよく他の山でも見かけることがありまして、
でも今回のは、何か漠然と違和感を感じるんです。まじまじと見渡しているとき思ったんです。
「なんで登ってくるときに気が付かなかったんだろう」て。
その瞬間、ハッとして、体を這うように鳥肌が立ち、無我夢中で、飛び降りるように下山してました。
山を降りる途中も赤ペンはポツポツとありましたが、頻度は少なくなっていきました。
もし、あのまま気が付かずに登っていたらどうなっていたのでしょうか?
作者枕元くさこ
あの時、私は、赤ペンした人は意図的に、登山時には見えない角度で赤ペンしていたと考えたわけです。
それはそれで、ふしぎではありません。登山者を脅かそうという意図が見えます。しかし、私の趣味で入る山は登山者がいるような山ではありませんし、登山道でもございません。
つまり、赤ペンをする時、「登山者を脅かそう」という思考回路にまずならない訳です。
その、常軌を逸した行動にビビったわけなんよねーーーーーーーーーーーーー