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短編2
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家にだれがいた?

今から10年前位の時に、私は練馬区のマンションにひとり暮らしをしていました。

間取りは、1Kにトイレと洗面台とお風呂があるごく普通のマンションです。

たしか10階建てくらいで、私は8階に住んでたのでそこそこ眺めも良くてお気に入りのマンションでした。

ただひとつの欠点が、そこのマンション裏にお寺と墓地があったんです…。

エレベーターを降りて、まず目に付くのがそこそこ広さのある墓地。

夜仕事から帰ってくる時いつも早足で家に帰っていました。

それさえ気にしなければ、何も文句はなかったのです。

引っ越してからしばらくして、彼氏が家に泊まりに来てくれた日がありました。

家でご飯を食べて、のんびりテレビ見たりして気付いたらけっこういい時間。明日は彼氏が朝から仕事だったので、彼氏が「俺先に風呂入ってくるね」と言ってお風呂に入りに行きました。

私は見ていた番組がいい所だったので、返事だけして1人でテレビを見ていました。

しばらくして、彼氏がお風呂からあがってきたので、じゃあ私も入ろうかなと思った時「ねぇ風呂場の前でなにやってたの?」と彼氏が聞いてきました。

何をやってるも何も私はずっとここにいて、テレビを見ていました。1回もトイレにも立っていません。

「私ここでテレビ見てたけど?なに?」と聞くと、「風呂場の前に人が立ってるのが見えてさ。お前が来たかと思って声掛けたんだけど、返事なくて。でもずーっとそこに立ってるから何してるのかなと思ったんだよ。」

私のマンションのお風呂のドアは、曇りガラスみたいな感じのドアで、外に人がいたらその影が中から分かります。 洗面台が横にあったので、友達が手を洗いに来た時もその影が見えるので。

「お前ここにいたの?じゃあさっき立ってたの誰だよ」

彼氏は私が嘘ついてると思ってたのか、意味わからないことするなよみたいな感じで少し怒っていました。

でも本当に私はお風呂場には行ってないし、ましてやそこにずっと立ってなんかいません。

今まで快適に暮らしてた家が、一気に怖くなってきてしまいもうお風呂どころじゃありません。

「ねぇもうこの話やめよ怖い。明日からまた1人なのにほんとやめてよね」半泣きで彼氏に言うと、さらに彼氏がとんでもない事を言ってきたのです。

「そういやさっき風呂場の前に立ってた影さ、やっぱお前じゃないよ…。だってお前よりももっと小さい影だった…。」

引越ししたばっかりだったので経済的にもすぐ家を出ることはもちろんできないので、来れる時は彼氏や友達に来てもらったりして、しばらくはそこに住んでいましたが…。

でもいつまたその小さい影が現れるか本当に怖くて怖くて、お風呂の時は頑なにドアを見ないように背を向けて入ってました。

たまたま通りがかった幽霊だったらまだいいですけどね…。

Concrete
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