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短編2
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狐に摘ままれた。実話

私が25~30年ほど前に体験した話です。読みづらいかと思いますが読んでいただけましまら幸いです。

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私が小学生の夏休みに親父と山へカブトムシを捕まえに行った日のことです。

親父はカブトムシがたくさん捕れる山を知っていました。

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夏休みにその山へ連れていってくれると約束していたので時間はハッキリと思い出せませんが夜中~明け方に車でその山へ向かいました。

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その山は本当にたくさんのカブトムシがいて虫かごを複数持っていきましたが全然足りないくらい捕まえることができてとても楽しかったです。

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『それだけ捕まえれば満足だろ?さぁ帰るぞ』と親父が言ったので山を下りはじめました。

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山を登る時には感じませんでしたが下る時はすごく霧?靄?がかかっていて視界が悪かったです。そして何故か甘い匂いがどこからともなくしてきました。

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怖くて親父の服を握りしめながら着いていったのでしたが親父の様子もどこか焦っていたように思います。

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しばらく歩いていたのですが突然親父が虫かごを1つ貸せと言ったので渡したらそれを足元に置いたのです。

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『父ちゃん。なんで置いちゃうの?』と聞いても険しい顔をしながら『黙ってはぐれないようにちゃんと着いてきなさい』と言うだけです。

仕方ないので黙って着いていったのでしたがとても長い時間山を下りているのに気付きました。

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親父にその事を聞いてみると『これは狐に摘ままれたかもしれん』と言ったのですが小学生の私には意味が分かりませんでした。そこからまたしばらく歩くと覚えがあるものがありました。親父に渡した虫かごがあったのです。すごく怖かったです。

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親父にその事を言うと『狐に摘ままれるって言うのはな狐にイタズラされるって意味なんだ。狐はイタズラのつもりかもしれんが父ちゃんやお前にとっては本当に危険な状態なんだ。狐がイタズラに飽きるまで山から降りれないかもしれない』と半ば諦めの表情で言ってきました。私は我慢できず大泣きしてしまいました。

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歩いては虫かごの場所に戻りまた歩いては虫かごの場所に戻りを繰り返していると突然霧?靄?がはれて甘い匂いもしなくなったと思ったら山を下ることができました。

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親父が言うには霧?靄?がかかり甘い匂いがするのが狐がイタズラする前兆だと言いました。

あの時、狐がイタズラに飽きていなければどうなってたかと思うととても恐ろしかったです。

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拙い文章で申し訳ありませんが最後までお付き合いしてもらいありがとうございました。

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