ホントの話しなんでそんなに怖くないかもですが
自分は怖くて怖くて死ぬかと思いました。
あれは社会人1年目の夏。
地元に帰省し従姉妹と飲んでた時に
地元で、よく出る。という噂の心霊スポットに
従姉妹2人と、私入れて3人で行く事になりました
従姉妹は1人女の子、あと1人は男の子でした。
その心霊スポットというのが山の頂上にある場所で草スキーができたりアスレチックがあったり
割と昼間は普通に遊びにいったりしていた場所でした。
が、しかし小さい頃から親たちには
夜は絶対に近づいてはいけないぞ!と
いつも言われているような場所で
昼間と違って雰囲気が別物でいかにもって感じの場所。
酔っ払い3人で車に乗りこみ私の運転で行く事になりました。
ちょうど帰省する時に買った西野カナの新品の
アルバムを聴きながら。笑笑
山の頂上にあるアスレチックまでの時間は
だいたい車で30分とかの距離で、螺旋状になっている道をひたすら上に登っていく感じでした。
山を車で登っている途中、田舎なんで街灯なんて
あまりない。ほぼ真っ暗で車のライトだけを
頼りに道をひたすら走っていました。
山を登って行くにつれて
どうもCDの調子がおかしい。
たまに途切れたりするんです。
が、しかし故障とは思えませんでした。
なぜならCDは新品だし、車も新車だったのです。
他の2人もその現象に気付いたようで
場を和ませようと、「幽霊の仕業かもねー笑」
なんて冗談を言い合ってました。
そして着々と頂上に近づいていたのですが
この頃からもう誰一人、口を開いてませんでした。なぜなら頂上に近づくにつれて音楽が途切れたりするのが頻繁に起こっていたからです。
これはやばい。何かあると思い、従姉妹が
「これやばくない?」と言い始め、でもせっかく
ここまで来たんだから頂上まで行こう!という事になり、怖がりながらも頂上まで車を走らせました。
そしてとうとう頂上まで登りきった瞬間の出来事でした。
今まで途切れたりしていた音楽が別物に変わっていました。
カセットテープが完全に伸びたような
ボアアアアヴヴヴヴアアアァズヴァアアアアアアギャアアアアアアアアアアアボボボボボボボボボボアアアアアアアアアアアアアヴゥゥゥアアアア
ズヴァアアァァアアァァァアヴゥゥヴヴゥアアアアヴヴヴヴアアアァアアアアアアアアアアアアア
思考が停止しました。
ハッとなり従姉妹を見ると女の子は完全に号泣していて
男の子は顔が真っ青でした。
これはやばいと思い急いで車をUターンさせ
トイレの方をチラッと見た時でした。
頂上には駐車場と、かなり古いトイレがあるんですが、そのトイレのとこにしか街灯はなくてそこだけ薄暗くなっているんで目に入ったんだと思います。
そのトイレの前から身長が170センチくらいあり、真っ赤な服で、髪がロングくらいの長さで異様に腕が長い女性がこちらの方に歩いてきてました。
駐車場には車は一台もない!!
ここまで歩いてくるには2、3時間はかかるはずです。
一瞬で悟りました。
人間ではない!見てしまったと。
猛スピードで山を降り
近くのコンビニまで車を爆走させました。
そして確認のためにCDを再生させましたが
全く異常はなく正常でした。
家に戻り親にその事を話すと
こっぴどく叱られました。
夜はあそこには近づくなと!!!
もう二度と行かないと決めました。
それから10年、特に取り憑かれたとかは
一切なく、しいて言えば一か月の間に
10万入った財布と、7万入った財布をなくし
事故ったことくらいですかね。
でも忘れられません。
あのトイレの前から歩いてきた女性の顔を。
目は両眼とも外側いっぱいまで離れ
鼻はなく、口が片側だけ裂けて歯もなく
ニタアーと笑っていたあの顔を。
作者モチコ