あれは、俺のお祖母ちゃんから聞いた話。
実際はひいばあちゃんなんだけどもう俺が生まれる前に亡くなってしまってその家をお祖母ちゃんがもらったってわけだ。
もらった家はかなりでかかった。
そりゃそうだよね。ひいばあちゃんのお爺ちゃんは政治家だったんだもん。
家はお屋敷並の広さだった。
何歳かは覚えてないけど泊まりに行った事は覚えている。
俺が泊まりに行ったときお祖母ちゃんは真っ先にこう言った。
この家の地下室には絶対行ってはならん。恐ろしい化け物がいる。母「ひいおばあちゃん」の友達も化け物にやられたらしいからの。
正直信じられない。
ボケているのかなと思った。
でも、お祖母ちゃんは車を運転するほど元気だったしボケなんて無かった。
子供って好奇心旺盛なんだよね。
察しの通り言い付け破ったよ俺
地下室に続く階段長かった、しかも寒い。
俺は地下室の扉まできた。
俺は扉を開けた。そこには………
ベッドとテーブルがあった。不自然だ。
すると、開けてあった扉がいきなり閉まった。
俺は慌てて扉に駆け寄るがびくともしない。
「ねぇ」
暗闇から声がした。
その声の方に行くが何もない。
そして、気がついた。
ベットに血がついている。よく見ると床も一部真っ赤だ。
俺は恐怖に震えた。ここで死ぬのか。
ちゃんとお祖母ちゃんの言いつけを守っときゃ良かった。
泣いているとまた声がした。
「泣かないで」
顔をあげると女の子が立っていた。でも……
普通じゃなかった。
赤く光る目。長い爪。ちょこんと牙が見える。
「私ね。本当は吸血鬼なの。お外で遊びたいけど羽があったらみんな逃げる……だからもいだの……」
なるほどね。だからベットや床が真っ赤なのか。
「私、お日様嫌い。暗いところが好き。
夜しか遊べない。もう何百年もここにいる……君遊ぼうよ。」
俺は吸血鬼に従うしかなかった。殺されると思ったから。
数時間経って吸血鬼は俺にこう言った。
「今日は楽しかったよ。貴方の事好きになっちゃった。また遊んでね。」
俺はうなずいた。吸血鬼でも凶暴なんかじゃない。
優しくて可愛い子だった。
「でも、君は多分もうこのお屋敷にこれない。
だって、このお屋敷は燃えちゃう。だから私が貴方を迎えに行くね。私のお姉ちゃん……見つかったら。」
吸血鬼はそれだけ言って扉を壊し出ていった。
俺も地下からあがったらお祖母ちゃんにこっぴどく怒られた。
その数ヵ月後
お屋敷は火事で全焼。
でも、お祖母ちゃんは運よく買い物に行っていて助かった。
吸血鬼はなぜ燃えると分かったのか。もしかして火をつけた?いやそんなわけない。
その日は快晴。太陽が平気なわけない。
それよりも迎えに行くって。
お姉ちゃんを見つけたら……俺はどうしたらいいのか……
もしかしたらもうすぐそこまでその時は来ているのかも………
作者ユート
こんばんわ。
今回は子供の頃にあった出来事を投稿しました。
吸血鬼なんて信じられないと思いました。夢かと思いました。
でも、実は俺の母もその事を知っていたようで嘘ではないようです。
今のところ迎えには来ていませんが………
ふと昨日お祖母ちゃんが遊びに来て言われたもので怖くて眠れませんでした。
紛れもない実話です。
次回作もお楽しみにしていただけたら幸いです。