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短編2
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喰利川

小さい頃の実体験です。怖くはないかも

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三、四歳の頃写真好きの祖父に熱が出る程色々な山や川に連れていってもらっていました

私自身は綺麗な風景に目もくれず、地面を常に見ながら夢中でどんぐりやら木の実やら松ぼっくりやらを集めて遊んでいました。

確か北関東の山の森を散策していた時、苔がむした小川が所々ある場所で川の魚を夢中で目で追ってはしゃいでいました。

川のせせらぎはそのままに、人の足音がいつの間にか無くなって、祖父も居なくなっていました。何故かはぐれても怖くはありませんでした。

そのまま道に沿って歩いていくと「喰利川」という、これもまた苔の美しい澄んだ小川に辿り着きました。その光景だけハッキリと頭に残っています。小学生にも満たない頃ですから漢字なんて読めない筈なのに橋の石に刻まれた喰利川という字を「あさりがわ」と読めました。

そこでもひとしきり魚影がないか探しましたが水草がそよぐだけで生き物は見当たりません。興味をなくしそのまままた道に沿って歩いていくと直ぐ祖父は居ました。

何事も無く帰り、高校生になった頃突然「あさりがわってあったけどどこにあるんだろう?綺麗だったな〜」と思い出しました。もうスマホも持っていたので直ぐに「あさりがわ」やら「喰利川」やら検索しましたが何もヒットしませんでした。

今でもたまに情報が無いか探しているのですが見つからないし、家族に聞いても聞き覚えがないそうです。

字面からして怖いというか、なんかやばそうなので不思議な体験をしたのかな、と思い書き残します。

Concrete
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