私は散歩が日課だ。
あの日は友人宅から帰る途中だった。
夜だったけど、まだ少し早かったので一つ隣の駅まで散歩することに決めた。
すると
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途中に公園があった。そこそこ広い。
私は夜の公園に惹かれる。
あんなに賑やかな昼に比べ、人気のない夜。
ぞくぞくする。
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ふらっと立ち寄った。
静かで気持ちがいい。
でも少し寒くて催してきてしまった。
ちょうどそこに公衆トイレがあったので、
小走りで入った。
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何だか古くて汚い公衆トイレ。
ギィとドアを開けて個室に入った。
途端にギョッとしてしまった。
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薄暗くてよく見えないけど、便器脇に何か置かれてる。
よく見ると花瓶にさされた花。
紫色の花だった。
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トイレの飾りな訳がない。
まるで雰囲気が違うのだ。
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言ってしまえば、そう
お供えの花。
考える間も無く私は急いで個室を後にした。
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一体あの部屋で何があったんだろう。
誰が花瓶に花を供えているのだろう。
何より
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個室の黄色味がかった白い壁に無数にあった
ゴムを擦ったような黒い跡は何だったのだろうか。
作者ミルクティ