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長編10
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サバイバルゲーム

俺がまだ都内のアパレル会社で働いていた頃の話。

例年より1週間ほど長かった梅雨が終わり強烈な日光が降り注ぐなか、

俺たちは息苦しいマスクを被り、

分厚いミリタリージャケットを着込み、

マシンガンを手に、

千葉の山中に整列した。

よろしい。ならば戦争だ。

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「おい、今週の土曜空いてるか?」

昼休みに部長が話掛けて来た。

「空いてるっちゃ空いてますけど。」

当時俺は結婚したばかりで出来れば嫁さんと過ごしたかったのだが、仕事の話かとも思い返事を濁した。

勿論失敗だった。

「よし、空いてるな。今週M紡績と戦争だから。」

「は?」

意味が解らない。

なんかトラブルでもあったか?

でも俺M紡績と関わり無いしな。

戦争って、そんなこじらせてる案件あったっけ?

なんて考えていると

「あいつら宣戦布告して来やがった。だからやるぞ!」

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全然内容が掴めないまま詳しく聞くと、

なんでもM紡績では今サバイバルゲームがブームらしい。

社内の男連中で楽しんでいたのだが、人数的に小規模戦闘しか出来ずマンネリ化して来た。

それでウチなら断らないだろうとこの度、宣戦布告をして来たとの事だった。

装備は全てそこの施設でレンタル出来、手ぶらで構わないらしい。

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「はあ、それで?引き受けたんですか?」

「当たり前だろ、こんな楽しそうな事。

 もう人数も揃えたからな。」

仕事早え。

俺と部長以外の参加者は、

容姿はDAIGO、中身は宮川大輔のお祭男、大吾さん。

スタイルはモデル並だが、顔は空耳アワーの安斎肇に酷似した残念な男、ハジメさん。

俺の課の課長で直属の上司、サッカーの宇佐美と中村獅童を足したような顔の中村課長。

他の課の課長で、レオンのゲイリーオールドマン似のオールドマン課長。ちなみに酒癖が超悪い。

の計6人で参戦することになった。

ちなみに民生くんは引越しの為、今回は不参加。

ともあれ我社はこういった人材には事欠かない。

なんか特別な採用基準でもあるのか?

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余談だがうちの会社はアパレルの癖にやけに体育会系だ。

草野球は月イチでやっていて、アパレル系保険組合の大会にも参加している。

その他、毎週金曜夜には近くの小学校でバスケをしているし、隔週水曜夜には渋谷の東急の屋上でフットサルもやっていた。

勿論業務は死ぬ程忙しいので、平日は終わったら会社に戻り仕事を続ける。

シャワーも浴びずに汗だくで帰って来て仕事をするので、女子社員からはすこぶる不評だった。

よくやってたな。と今でも思う。

みんな若かったのだろう。

ちなみに俺はほぼ全てに強制参加させられていた。

まあ、それなりに楽しかった。

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そんな訳で、その週の土曜日に俺たちは会社のハイエースに乗り込み出発した。

運転は問答無用でオールドマン課長に決まった。

対して面白い話も出来ないので、こういう時は大体彼が運転手だ。

その割にこういったイベントへの参加率は高い。

きっと友達も少ないのだろう。

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後部座席の面々は部長をはじめハイテンションだ。

「お前、戦場は初めてか?」

中村課長が上官のように俺に聞く。

お前もだろ。

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「俺、この戦争が終わったら結婚するんすよ。」

大吾さんはお約束のフラグを建てる。

始まったら後ろから撃ってやろう。

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部長は会社にあったコピックで、嫌がるハジメさんの顔に無理矢理フェイスペイントをしていた。

マスクを着けるから意味は無い。

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オールドマン課長がルームミラーでチラチラこちらを伺う。

お前は運転してろ。

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俺はといえば、

皆のテンションに釣られたのか、実は結構楽しんでいた。

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高速のサービスエリアでも俺達はノリノリだった。

車が止まると同時にドアを開け飛び出す阿呆が5人。

「Go!Go!Go!」

「Move!Move!」

部長の出鱈目なハンドサインの下、買い出しに走る。

「コーヒー!」「Clear!」

「牛串!」「Clear!」

次々とミッションを遂行していく阿呆が5人。

超楽しい。

オールドマン課長は一人静かにソフトクリームを買っていた。

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車内で戦利品を分ける俺達。

もう俺達は戦友だ。

当然全部部長が支払った。ごちそうさまです。

「朝のナパームの匂いは格別だな。」

コーヒーを飲みながら言った俺の一言に、部長が即座に反応する。

嬉しそうだ。

解ってくれて俺も嬉しい。

民生くんじゃこうはいかない。

負けじと部長が虚ろな目で呟く。

「家に帰りたい……」

違う違う。今言うセリフじゃない。

そもそもお前が言うなよ。エビでも採ってろ。

俺の突っ込みに嬉しそうな顔の部長。

その後、皆でひとしきり戦争映画の名セリフで盛り上がる。

「フォースが共にあらんことを。」

オールドマン課長がズレた発言をするが皆で無視した。

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現地に着いてからも俺達の暴走は止まらない。

整列、点呼から行進で受付へ向かう。

先に到着していたM紡績の方々も引き気味だ。

そんな事はお構いなしに部長が一番張り切っている。

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マスクを装着し、厚手のジャケットを着る。

支給された銃は皆同じ、電動のマシンガンだった。

ルールの説明を受ける。

要は陣取りゲームだ。

市街地を想定したフィールドで、そこかしこに物置のような建物や壁がある。

お互いに別れて、壁を利用して近付き相手の陣地にあるボタンを押すとライトが点滅し勝利となる。

弾に当たった人は自己申告で「ヒット!」の声と共に退場する。

全滅するか、ボタンを押されると負けである。

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自己申告なら当たってないと言い張る事も可能では?

と思うのだが、たかがエアガンとはいえ当たると結構痛い。

リアクションでバレるし、撃っている側も弾道が肉眼で見えるので誤魔化すのは難しいのだ。

そもそも不正行為をしていてはゲームにならないし、楽しくない。

正々堂々と相手を撃滅するのだ。

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ルールも理解しいざ開戦。

相手は数回とはいえ経験者達だ、最初は胸を借りるつもりで。

と思っていたら、初戦から俺達の勝利だった。

これはひとえにオールドマン少佐のおかげだった。

オールドマン少佐は水を得た魚のように、たくみに相手の砲火を掻い潜り、正確無比の射撃で相手を倒していった……

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わけではない。

オールドマン少佐は始まるやいなや単身突撃し、あっという間に集中砲火を浴びて蜂の巣になった。

だが、相手の攻撃が少佐に集中しているうちに俺達は散開し相手を各個撃破していったのだった。

活きのいい猪を囮に俺達の初戦は勝利に終わった。

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「作戦名は勇気。」

と宣い、オールドマン少佐はニヤリと笑った。

アホである。

陣地を交代し、続く第二戦も猪が突っ込んでいったが、気合を入れ直したM紡績の部長の射撃で

「ヒット!」

の声と共に早々に退場した。

開始20秒である。

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「あの人なんで課長なんですかね?」

俺の問い掛けに

「社長の親戚らしいぞ。」

嘘か真実か、衝撃の情報を俺に伝える中村課長。

クソ。味方を動揺させてどうする。

押し寄せる虚無感に震えが止まらない。

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善戦虚しく第二戦は敗北だった。

次からは猪を上手く使うべく作戦を立て直した。

ハジメさんを猪の飼い主に任命し世話を任せる。

が、所詮畜生である。

指示を無視し飼い主の手を離れた猪は、一分も持たずに俺達の目の前で肉片になった。

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「戦場で一番厄介な敵は無能な味方である」

誰の言葉だったか、俺達は先人の教えを実感する。

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三戦目も俺達の敗北に終わる。

早々に蜂の巣になる猪を不憫に思ったのか大吾さんが配置を代わると提案したのだが、

珍しく与えられた役割が余程嬉しかったのだろう。

オールドマンは譲れないと駄々をこねた。

やはり畜生は畜生である。

意志の疎通を諦めた俺達人類は猪を放し飼いにすることに決めた。

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四戦目。

猪とはいえ哺乳類である。

少しずつ学習したのか壁を利用し、オールドマンが粘る。

いいぞ。

やれば出来るじゃないか。

あとでサービスエリアで買ったビーフジャーキーをあげよう。

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双方に戦死者を出したがハジメさんの援護射撃の結果、オールドマン少佐が単身無人の相手陣地に転がり込む。

起死回生のチャンスだ。

あとはその建物内にあるボタンを押せば俺達の勝ちである。

「行け!」

特に見せ場も無く退場した俺と大吾さんが声をあげる。

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が、ライトが点灯しない。

何やってんだよ。

早く押せよ。

ルールを理解していないのか、一人で膠着状態に陥っている哀れな猪。

そんな状況に焦れた中村課長が、左側から突破口を見出しボタンを押した。

ライトが点灯する。

俺達の勝利だ。

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戦績を五分に戻したところで、一時休戦。

昼食となった。

M紡績はわざわざ俺達の分までお弁当を用意してくれていた。

いつもお世話になっております。

今後も何卒宜しくお願い致します。

感謝の言葉を述べ、各自弁当を受け取る。

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「なんですぐボタン押さなかったんですか?」

大吾さんがオールドマン課長に尋ねる。

「いや、中にもう一人いたように見えて。

で、隠れて様子覗ってた。」

頭だけでなく目も悪いのか。

鼻効かせよ、猪なんだから。

皆からチクチク言われてしょんぼりするオールドマン課長。

酒入ってなきゃ悪い人じゃないんだよな。

絶望的に無能なだけで。

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部長は後半戦に向けて各々に指示を出している。

部長は一度しか被弾してない。

流石に戦場とはどういうものかよく理解している。

という訳ではない。

部長は後ろからあれこれ指図するだけで前線に出て来ないのだ。

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「部長ももっと攻撃に参加してくださいよ。」

「馬鹿だなあ。俺が後方から的確な指示を出すから統制がとれた戦いが出来るんだろ。

会社と一緒だよ。」

小憎たらしい顔でそれっぽい事を言う。

「とれてないじゃないですか。

じゃあ、あの猪なんとかして下さいよ。」

「あいつは無理だよ。言っても聞かねえもん。

それも会社と一緒だ。」

一緒だ、じゃねえだろ。しっかりしろよ。

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「後半戦、部長と向こうの部長とで交換したらどうですか?

皆燃えますよ。」

俺が素晴らしい提案をしたが、

「やだよ。そんなんしたらお前ら俺ばっかり狙うだろ。」

即却下された。

流石よく解ってらっしゃる。

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後半戦がスタートした。

ビーフジャーキーを与えたのが良かったのか、オールドマン少佐の動きがいい。

ここまでは互角の展開だ。

壁に張り付いて援護射撃を繰り出す俺に、隣から声が掛かる。

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「あの人凄いですね。」

「ああ、元傭兵で外人部隊にいたから。」

「ほんとですか?どおりで。」

そんなわけないだろ。アホか。

「ほんとほんと。テレンス=リーと一緒の部隊だったらしいよ。」

「テレンス=リー?誰ですか?」

知らねえのかよ。

民生はこれだから困る。

そう思い苦笑する。

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あれ?

そういえば民生くんは今日不参加だ。

お前誰だ?

俺はそいつに顔を向けた。

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タタタタタッ!

銃の発射音が聞こえ、

横の壁に弾が当たりパラパラと落ちていく。

誰も居ない。

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「そんなのと話してんじゃねえ!」

部長の声に我に返る。

「仕事じゃねえんだ!真面目にやれ!」

さらっと繰り出されたタモリの名言をスルーして

俺は射撃を続けた。

なんだったんだあれ。

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集中力を欠いた俺が足を引っ張り、午後の第一戦は敗北。

陣地交代の移動中、部長に怒られる。

「馬鹿。あんなの相手にするなよ。」

「なんですか?あれ。」

「さあ。始まって気付いたらいた。

出て来るそばから撃ってたんだけどな。」

撃ってたのかよ。

幽霊に少し同情する。

「じゃあ、オールドマン課長の言ってたのもあれですかね?」

「そうだろうよ。あいつも馬鹿だよな。

撃っちゃえばいいのに、消えんだから。

丸腰なんだし。」

丸腰なのに撃つんだ。

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その後は業を煮やした部長が前線に立ち、俺達は一進一退の攻防を繰り広げた。

援護射撃と称して、皆で部長を後ろから撃ったのは内緒だ。

最終的に6勝4敗。

俺達の勝利で初めてのサバイバルゲームは幕を閉じた。

M紡績の方々は本気で悔しそうで、リベンジの約束をして帰っていった。

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汗でドロドロになったフェイスペイントでゾンビ化したハジメさんを、バイオハザードと称して皆で狩って遊んでいたのだが、

施設のスタッフさんに怒られたので俺達もお開きとなった。

あの幽霊のことをそれとなくスタッフさんに聞いてみたのだが、実はよく出るらしい。

ここの施設には室内で夜戦も行えるのだが、よく「部外者が入り込んでる」とクレームがあるとの事だった。

「見かけても気にせずにゲームを続けて下さい。」

とスタッフさんは笑って言った。

はい。そうします。

なんだったら撃ちます。

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帰りも勿論オールドマン課長が運転した。

俺達は頑張った猪を労い栄養ドリンクとソフトクリームを沢山買い与え、

ビールで祝杯をあげた。

消費が追い付かずドリンクホルダーで溶けていくソフトクリームが悲しかったので一つ食べてあげた。

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「今度は民生も連れて来よう。」

皆が疲れて寝ているなか部長が俺に言う。

「ああ、こういうの好きそうですもんね。

楽しかったし。」

「それで今度は室内で夜戦してさ。

あいつの落ち武者とあそこの幽霊戦わせようぜ。」

なんて事思い付くんだ。

ムシキングかよ。

「それ面白いですね。絶対やりましょう。」

俺も段々毒されて来たな。

そう思いながら俺は目を閉じた。

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

家に着くなり俺はシャワーを浴びるため服を脱いだ。

すると嫁さんが小さな悲鳴があげた。

「どうしたのその体?蕁麻疹?」

見ると俺の上半身には沢山の赤い小さな斑点が浮き出ていた。

まさか呪いか?

なんてことはなく、全て被弾したBB弾の痕だった。

俺でこの状態ってことはあの人は大変だろうな。

俺は想像して吹き出した。

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人一倍BB弾を浴びたオールドマン課長は案の定その日パニックになったそうである。

聞くところによると

「この間の安い風俗で病気をもらった。」

と本気で思ったらしい。

なんでこの人課長なんだろう。

と俺はやるせない気持ちで怒りに震えた。

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次の年、オールドマン課長は香港の子会社に出向となり日本を離れていった。

ついでに言うと、ハジメさんと民生くんも同じく香港に飛んでいった。

民生くんがいなくなり、長らく姿を見せなかったウチの会社の幽霊がまた現れるようになったのだが、それはまた別の機会に。

Concrete
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@カイト 様
コメントありがとうございます。
お、ムシキング世代ですか?
戦わせたら落ち武者の勝ちでしょうね。
ほんとに怖いんですよ。

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@五右衛門 様
コメントありがとうございます。
撃った方の気持ちはよく解ります。
日頃から人の恨みは買うものじゃないですね。
ちなみに足を狙うとリアクションがよく、楽しめます。

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@かがり いずみ 様
コメントありがとうございます。
無理矢理参加させられた幽霊ですね。

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@小夜子 様
コメントありがとうございます。
アワード受賞歴のある方からコメントを頂けるとは。
恐縮及び感激の極みです。
オールドマン課長、黙ってりゃ男前で格好いいんですが人としてはソフトクリームのコーンの価値もない人でしたよ。
最近は、個人的な思い出に怖い要素を無理矢理差し込んだような内容になりつつあったのを反省していたのですが、肯定のコメントを頂けると本当に嬉しいですね。
今後も宜しくお願いします。

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@りこ-2 様
いつもコメントありがとうございます。
本当に励みになります。
仕事では結構揉めることも多かった(ダブスタが非道い)のですが、巻き込まれる形でよく一緒にこうして遊んでましたね。
社員の人間関係はかなり良かったです。
まあ、今だからそう思うだけかもしれませんが。
怖くない面白い体験なら腐るほどあるんですけどね。
辞めた理由なんかも交えて書いていければと思ってます。
あと会社の幽霊、どっかに避難してたようです。

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@昆布 様
コメントありがとうございます。
「仕事じゃないんだ。真面目にやれ。」
タモさんの有名な名言です。
気に入ってて僕もよく使います。
いい言葉ですよね。

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