僕が高校生の頃11年程前に体験した話です。
当時入学したての僕はD君という友達ができ彼からこんな話を聞きました。
「この学校の先に山があってちょっと登った所にボロボロの家があるんだけど、この前そこを携帯のカメラで照らしながら行ったら女の幽霊が写ったんだ!」
その時一緒にいた友達もその時は怖がっていたが後から見間違えだと言われ、現に証拠となる写真は急すぎて撮れていなかったとの事。
僕も内心嘘くさいなぁと思いつつも、心霊スポット等には行った事が無かったので非常に興味を惹かれ行く事にしました。
ただ同じ高校は噂が広がっていて、男子生徒も少なかったので、中学生の時に同じクラスだった友達S君と一緒に行く事になりました。
当日はかなりの快晴でした、夜に行く勇気もなく真昼間から探検する事になりました。
友人のSとは共にオカルト好きで幽霊見たらどうしようなんてキャッキャ言いながら向かいました。
そしてチャリンコで少し迷いながらも到着、山の中にあるので適当にチャリを止め歩きました。
みかん農家に迷いながらもその心霊スポットに到着出来ました。
到着した僕とS君は目の前に現れた2階建ての建物を見て言葉を失いました。
言葉にならないくらいに怖いのです、全身の鳥肌が止まらず立ちすくんでいました。
「これ、ヤバくない?」
「ヤバい、これは行ったらダメだ。」
そんな会話を少ししていました。
しかし足が動かず何とか玄関前まで行き写真だけ撮りました。
玄関には木の看板が立て掛けられておりそこには損傷が激しく良く見えませんでしたが
〜〜〜〜南教〜〜と書いてありました。
それを見た後は逃げるように帰りました。
次の日当然写真には何も写っていません。
しかし肩が重いのです。
授業中ずっと肩が重く、体調が悪かったです。
夕方にS君に電話をしました。
「今日めっちゃ肩が重い」するとS君も、
「俺もなんだよ、何か連れてきたかな」と
その後S君は同じ学校の友達に写真を見せた所少し霊感のある人からは、これはヤバい、見せないで欲しいと言われたそうです。
なんでも普通の人は見えない物が写りこんでるのだとか。
そこで僕はまた好奇心が勝ち、玄関でこのくらいだから中はどれだけ凄いのだろうかと思い初めました。
しばらく経ち再びその場所をS君と訪問、最初程の恐怖は無く思い切って玄関の中に足を踏み入れました。
そして入ると玄関の奥は広い畳部屋で大きな仏間がありました。
それだけでも気味悪いですが、その中心は何故か大きすぎる穴がぽっかり空いていたのです。
誰かが掘った様でした。
その穴を覗く勇気はありませんでした。
さらに2階に登ると何故か新品のガムテープや工具が落ちたり置いてあったりしました。
「まだここに誰か出入りしてる?」
「誰か来たらヤバくない?」
そう言いながら外に出ると以前気づかなかったのですが奥にまだ道がありました。
まだ何かあるのか?
そう思い進んで見てみるとおびただしい程のお地蔵様達が並んだり段差ごとに置いてありました。
「うわー、もう訳わかんねぇな」
2人でそんな事言いつつバチ当たりですがそのお地蔵様達を写真で撮って周りその後帰宅しました。
そしてまた行って来たよ〜と同じ学校のD君に写真を送っていました。
当時LINE等無くメールに写真を送付しなければいけなかったので1枚ずつ送っていました。
ただ1枚の写真を送ろうとした時送信エラーになりました、
あれ?と思い送信履歴を見ると全て削除されています。
次の日その事をD君に話すと同じ時間にD君の携帯にD君から白紙のメールが届いたそうです。
「えー、めっちゃ怖いじゃん!」
「心霊現象じゃね?」
そう言いながら徐々にこの心霊スポットについても触れなくなり高校を卒業しました。
そして卒業して専門学校に入りそこで少し霊感のある人にこの話をしたのです。
すると今まで僕のオーラは茶色だったのに、この話の後に真っ赤になった。そんな事を言うのです。
「心配しなくていいよ、好奇心で憑いてきてるだけだから。」
僕は少し気味が悪くなりました、最後に送った写真は閻魔大王の様な真っ赤なお地蔵様だったからです。
その後は変わりなく霊障もありません。
まだ僕には赤い地蔵様が憑いているのでしょうか?
ただしばらく経って僕はホントにピンチになっても何かしら救われる事が多くなりました。
もしかして守ってくれてるかな、なんて勝手に思いながら生活しています。
作者アッチ