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中編3
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旧トンネル

これは私がまだ19の時の8月だった。

当時付き合ってた彼氏のK、Kの元カノのM、私の男友達のHとYの5人でHの車に乗りドライブを楽しんでた。

そこで急にMが心霊スポットに行こうと言いだし、県内でも割と怖いと有名なトンネルへと向かった。

そこのトンネルは山の中に面したところに新トンネルがありそこの脇に噂の旧トンネルがあるというもの。

最初は乗り気だった私も段々と過呼吸になったりと少し落ち着きがなく、Kたちに心配されながらトンネル付近へとついた。

近くに車を止めれる場所はなかったので、新トンネルを通って出口近くに開けた場所がありそこに車を止め、歩いてトンネルを通り旧トンネル前に来た。

トンネルをいざ目の前にすると冷水をかけられたかのように体は冷え、悪寒は止まらなかった。

まだ真夏のじめっとした空気が残るのに、ここは違った。

直感的に、あ、ここはダメだと思って私はゆった。

「私、ここで待ってるからみんな行ってきなよー。」

流石に口が裂けてもここはやばいなんて言えない。

見事にホラー映画のようなフラグを立てながら、私は考えた。

するとみんなはさすがに1人はヤベェけんみんなで行こうとの事。

イヤイヤに引っ張られながらトンネル前へ。

トンネルの前には誰かが勝手に入らないようにということで金網のフェンスと扉がつけられていたが、南京錠は壊されており入れるようになっていた。

入り口手前で私は過呼吸になり倒れそうになりながら、左側をK、右側をMに支えられながらトンネルの中を進む。

HとYは、もともと仲も良かったことから先頭を歩いてくれる。

でもそんなことどうでも良くなるくらい不安を掻き立てられるトンネル。

Mの話によれば、ここで昔死んだ奴がいるらしい。

ここで女子高生がレイプされレイプされた子は自殺。

それの後追いするかのようにレイプ犯も自殺。

それ以降、ここは有名な心スポになってるらしい。

誰だよ、ここでやろうとかおもったやつ。

てか、普通にトンネルでするなよ、死ぬなよ。

バカなんか。

とか悪態つきながらどんどん私はまっすぐ歩けなくなる。

端っこに寄ろうと体がする。

それを止めるK。

Mは、先々と進みついにトンネルの最後。

そこまで特に長いトンネルでもなく、最後の方にコンクリートの壁があり、その先は川になってるらしい。

そこには花火をしたであろう燃えかす。

Mは歓喜してた。

「ここで誰か花火しとる!私も今度しょーかな!」

あ、ここにはバカしかおらんのかとある意味悟りながら私は早く帰りたくてしょうがなかった。

だって、男の人が見てるんだもん。

普通に考えてキモいとしか言いようのない。

そいつとは目を合わせちゃダメだと本能的に思い逸らしているのだけれどまだ見てくる。

霊感あるやつだとバレたか??など違う意味で冷や汗かきながらみんなでぞろぞろとトンネルを後にする。

やっと入り口を出て少し開けた場所で休んでた。

YとHが扉を閉めようとした瞬間奥から声が聞こえた。

「待てえええええええええっ!!」

その時、全身で逃げろと反応がいい、無理矢理体を奮い立たせ走って逃げようとしたら、Kに腕を掴まれた。

と、間一髪かの如く車が通る。

もし、Kに腕を掴まれなかったら死んでただろう。

そう思いながらパニックの状態で半ばひこずられるかたちで車に戻った。

「今の聞こえた??ねぇ??なんで誰もなんもいわんのん!なぁ!おかしいがっ!」

「ごめん、なんも聞こえんかったけど??」

そこで会話は終わった。

誰も何も言わなかった。

そんな事があって二週間くらい。

たまたま、HとYと話をしてた時、急に謝られた。

なんのことかと頭の中にはてなを浮かべていると

実はあの時声は聞こえないと言ったが、実はそこにいたみんな、聞こえてたみたい。

だが、あまりにも取り乱してた私がいたから誰も何も言えなかったと。

今でもたまに思う。

あそこでKが止めてくれなかったら死んでただろうと。

そこは感謝してるよ。

だけどやっぱりあそこは行かないほうがいい。

あそこに住んでるのはレイプしようとしたやつで今も好探してると思うから。

自分の次の相手を。

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