長編9
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ある男子高校生(後編)

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waiting!

後日談の方が長いです…。すみません。

この私の体験したことはあまり思い出したくない事なのです。

もとは彼を信じた私の責任です。

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最近になってフラッシュバックが無くなり、

冷静に客観視できるようになり、

その出来事を忘れかける程まで昇華出来るようになりました。

しかし、この出来事は忘れてはならないことです。

その男子が私に行った事は紛れも無く犯罪です。

私よりももっと酷い被害に遭われた方もいらっしゃると思います。

私の体験したことなんて雀の涙程度に感じる方もいらっしゃると思います。

でもこの出来事はこの後の私の人生に大きく影響を及ぼしました。

―――心が傷付いたのです。

プライドをへし折られました。

そう簡単に癒えない傷を、レッテルを張られました。

そいつが今でものうのうと生きていると思うと憎く感じます。

そいつは今年受験生のはずなのですが、

落ちろ。とか思ってみたり思わなかったり。

前置きが長くなってしまいました。すみません。

性被害に遭う人が少なくなりますように。そのような思いで書かせて頂きました。

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それでは、クライマックスです。

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私の家は待ち合わせ場所の本当に近くだったので、すぐに私の家に着きました。

その間もその感覚は続いていました。

私は、

自宅にその男子を入れました。

《もう負けだ…。逃げられない。どう答えたとしてもあっちの思う壺だ…。》

苦渋の決断でした。

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その男子を私の部屋に案内し、私はその男子から離れたい一心で「飲み物何にする?麦茶とコーラあるけどどっちがいい?」と聞きました。

その男子はお茶と答えましたが、私が体調不良という理由で私から中々離れてくれません。

「も…もう!もう楽になったから!!離して!お茶汲んでくる!!!」

と言うと

あ…お、おう。と言ってその男子は私からやっと離れてくれました。

私は急いでその男子から離れました。

すると、です。

急に体が元の調子に戻ったのです。

イメージ的にはWi-FiやBluetoothの接続が切れる感じです。

私はお茶を汲んだ後、リビングの窓を開けたり扇風機を押し入れから出したりして時間稼ぎをしました。

又あの感覚を感じると思うと嫌で嫌で仕方なかったからです。

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打つ手が無くなり、又自分の部屋に戻る時がやって来ました。

私は覚悟を決めて自分の部屋に戻りました。

遅かったね。とは言われたもののその他は特に何も言われませんでした。

この会話の後、ずっと沈黙が続きます。正直、帰って欲しかったです。

とうとう私はYouTubeを開いて好きな音楽を聞き始めました笑

※今考えるとその男子はネット弁慶だったように感じます。ネット上では「女性慣れ」していたので。

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《なぁんだ。悪寒とか動悸とかしたわりには大した事は起きないじゃん。》

張り詰めていた気を緩めたその時です。

「俺、彼女出来たことないんだぁー。」

唐突に言われました。

《何か下心があるな。》

確信には至りませんがそう思いました。

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shake

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「俺さ、女の子とキスしたことないんだよねー。」

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これで私の運命は確定しました。

そして最悪の事態を想定しました。

shake

私は奴にキスされる。

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shake

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「ねえねえayane!目ぇ閉じてみてよ♪」

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shake

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「何もしないからさー。」

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ごめんなさい。もうこれ以上書きたくないです。

この後、どうなったかと言いますと、

私は

初キスを

奴に

shake

盗られました。

shake

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―error―

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これは私にとって大事件でした。

大切な人にあげるつもりで今日まで生きてきたので。

その男子を自宅にあげた時点で結果は決まっていました。

私は世間を知らない箱入り娘だったのです。

今考えると、男の人と二人きりの空間で何も起きない訳が無いと考えます。

私は馬鹿でした。大馬鹿でした。

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起きてしまった事は仕方ありません。

私は「予想外」の事態に再度パニックに陥りました。

パニックになりながらも必死に

これ以上被害を被らないようにするにはどうすればよいか

と思考を置き換え、

いつも必要最低限の事にしか使わない小さな脳みそを動かし始めました。

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まず私はその場から離れて冷静になろうと考えました。

「コップ割れたらいけんから片付けて来るねー。」

1つ目の欲望を達成したその男子は満足げです。

「いってらー。」

容易に一人になることが出来ました。

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手早くコップを片付け、まず、その男子を追い出す方法を模索しました。

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考えた結果、

親が早めに帰って来る

という名目で追い出すというプランが立ちました。

これ以上の性的暴力(に入るでしょうか…?)を受けないようにするには

女性慣れしていない事から強く拒否する姿勢を貫き通したら諦めるのではないか?(女性の機嫌の治し方を知らないのではないかと考えて。)

というスタンスで行く事にしました。

普段使わない脳みそにしてはよく働いたとおもいます笑

――これ以上大切なものを奪われてたまるか。

絶対に「負けてはならない」戦いが始まりました。

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私は自分の部屋に戻りました。

すると、その男子は

バックハグをかましてきました。

キスさせて貰えたから何でも許してくれる

と思っているのでしょうか?w

ここは一端我慢して様子を見ることにしました。

むやみに拒否をし、その男子の神経を逆撫でする

なんて事をしたら

もっと酷い事をされるかもしれません。

一か八か、

その男子の興奮が落ち着いて来たときを見計らって

最初の切り札を使いました。

「あ、あのさー。」

「ん?どしたん?」

「お母さんが、今日早く帰ってくるみたいなのー。

だからさ、今日は…これで…その…帰ってくれない?

ごめんね。」

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その男子は一瞬私の「拘束」を解きました。

私は抜け出すことに成功し、

距離を取ることが出来ました。

その男子は少し悲しそうな顔をしながら

「そっかぁ…」

と呟きました。

成功と確信しようとしたその時、

その男子から衝撃的な返しを受けました。

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「俺、

クローゼットとかに隠れるからさ

ずっとここにいるとか出来ない?」

予測不能な返しにただ唖然とするしかありませんでしたw

いや、映画やドラマに出てくる泥棒か!お前は!w

しかもその男子はまぁまぁ太めでした。

私の部屋のクローゼットの容量は当時、既に限界を越えていました…。(今は整理整頓されています!)

人間の入り込むスペースなんてありません。

ましてや男子のような体の大きめな人なんか無理です。

「あのさぁー。クローゼットの事なんだけどさー。

まじで、まじでめちゃめちゃ汚いよ。」

「えー。そんな事言って実は綺麗にしてんでしょ。」

中々しぶとい奴です。

――しつこいなぁ…。もう早く出てって欲しいんだけど。

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すると、いい案が思い浮かびました。

実際にクローゼットの中身を見せる事にしたのです。(お母さんから呆れられる程の汚さでした。)

「んじゃ、見せるわ。」

クローゼットの中身を見せました。

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沈黙が10秒程

そして、

その男子の幻滅したわと言わんばかりの表情をばっちり捉えました!

「えー。あー。ごめん。俺ー。そういえばやらないといけないことがあったんだった。」

こじつけた言い訳であるということは直ぐに分かりました。

私は「勝利」を確信しました。

女子としてのプライドは捨てましたが、

代わりに自由を手に入れました!!

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「あっそ。残念だわー。もっと遊びたかったなぁー。」

「う、うん。俺もザンネンダヨー。(棒)

じゃあ、急がないといけないからぁー。」

「キヲツケテネー。マッタネー♪(棒)」

逃げるように出ていきました。

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面白可笑しく書いていますが…

これらの作戦が成功して本当に良かったと思います。

やっと自由を手にしました。

しかし

身体的にも精神的にも負荷を掛けていたと見えます。

この後緊張と疲れが一気に来て

私は少し寝込んでしまいました…。

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あの出来事が起きた後、

『親がスマホばかりかまっているとか言っててガチギレだからもうスマホ使えない』 的な理由で逃げました。(嘘を言いました。)

突然逃げたのですが、そいつからストーカー被害やSNS被害などを受ける事無く

平穏に毎日を暮らせていました。

(後で『訴えれば良かった…!!』とか思いましたがそこまで頭が回りませんでした…。)

後でネッ友(女子)に聞いた話ですが、

その男子、なんと〇部の複数の女子に出会い厨をしていて、

ある女の子が他の出会い厨被害を受けた子と共に

証拠(チャット画面)を全て、他の〇部利用者の目にも通るタイムラインに載せたそうです。

それから程なくして、運営の目に止まり

その男子は永遠に〇部から追放されたとの事でした。

これを聞いたとき、

本当に痛快でした。

やっとあいつに制裁が加わったと思うと本当に愉快でした。

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――2年後――

後日談。

この出来事が、

完全に忘却されてしまう寸前まで来ていたある日、

ふとまた思い出しました。

(フラッシュバックという形ではなく

もう既に客観視出来る位冷静に

その出来事と向き合えるようになっていました。)

最近配信を視聴することに興味があって、

私はある占い師さんのファンになりました。

お金は要らず、簡易鑑定ですが無料で視てくださり、

実際に鑑定してもらった事が当たったりしたので

信用出来ると思い、この事を視て貰う事にしました。

(シャーマンのかたです)

※「」が占い師さんが喋っている内容、

『』が私がチャット欄に打ち込んでいる内容です!

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『〇〇先生ー!2年も前の話なんですど、(カクカクシカジカ)……。』

「あらー。大変な事に巻き込まれてしまったのね…。」

『そうなんですー。』

「取り敢えず、見て行きますねー。」

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「あ、ayaneさんはエンパス体質気味と出ているよー。」

――エンパスとは

簡単に説明すると

共感力、感受性が非常に強い人の事です。

「気分が悪くなった。というのはayaneさんの体調不良ではなく

その方(その男子の事です)の体感している感覚だったみたい。」

『じゃあ、私はその男子の体感している感覚を

受信?したってことですか??』

「うん。そういうことになるね。

でも本当に辛かったよね…。

身体まではやられなかった。といってもれっきとした犯罪だよ。」

『心配してくださってありがとうございます<(_ _*)>

あの後、そいつ悪事を全て晒されて追放されたので大丈夫です!』

「一応の解決は出来た。という事なのかな??」

『はい!』

『話逸れてすみません。

あのー。その男子、

その感覚を感じながら生きてるんですよね?

でも全然辛そうにしていませんでした。

まるで普通でした。』

「うん。その方は確かにその感覚を感じているよ。

でもこの感覚が当たり前になってしまっていて平気になっているみたい。」

「後、その方は除霊が必要かもしれないねー。

そのような感覚が平気になってしまっているのは余り良くないよ…。」

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『先生、ありがとうございます!

やっと謎が解けたような気がします…!』

『あ、あの…。立て続けにすみません!

その男子は又

私の人生に関与してくるのでしょうか?』

「いえいえー。ayaneさんのお役に立ててよかったよー!

わかった!見て行くねー。」

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「いいえ。もう関与することはないみたいだよ。」

『ほっ(*´∀`)』

「なんて云うんだろう…。

劇やお芝居に出てくる街の路地にいる犬のような感じ?チョイ役?みたいなものだったみたい。

ごめんね…。いい表現が見つからなくて…。」

『いえいえー。先生が私に伝えようとしてくださった事は分かります~!』

「ありがとね~。」

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「他に聞きたいこととかある?」

『大丈夫です!ないです。

ありがとうございました!

これで全て吹っ切れたような気がします。』

「よかったぁー!」

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「あぁ、そうだ。

ayaneさんがもうその方と逢わないように

結界を張っておくよ!」

『いいのですか?!』

「全然大丈夫だよ!

何回も言ってごめんけど

その方がayaneさんにやった事は

れっきとした犯罪だよ!

ayaneさんの人生に関与しない。とは言ったけど

それはあくまでその確率が高い。という事であって

完全ではない。」

「私の大切なリスナーさんに何してくれてんねん!

ってねー。」

『本当にありがとうございますぅー!』

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本当に結界を張って貰ったのかは分からないのですが、

共感して貰えただけで本当に心が楽になりました。

その占い師のリスナーさん方にも共感して頂いたり

《私もそんな経験があって…。》と自らの経験談を話して下さった方もいました。

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私には今彼氏がいます。

最悪な人に遭ったお陰で

ひとを視る目が鍛えられたと思います。

やっと、やっと、

幸せを感じることが出来たと思います。

🔚

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