私が大学二年生の頃不思議な体験をしました。これは創作ではなく実話の話です。
私は京都の大学に通っていたのですが、サークルではドライブ活動をよくしていました。その日はドライブ活動の一環で愛知県のとある廃病院に行くことが決まりました。
時刻は深夜1時。車で三時間ほどでその廃病院には着きました。10人ほどのメンバーでスマホのライト機能を用いて地面を照らしながら鉄条網の割れ目から侵入します。
少し山道を歩くと広場のようなところに出ました。そこにはベンチが二つ置いてあり、その奥にはコンクリート造りの4階建ての廃病院が建っています。
私たちは順番に1階から4階まで順番に見て回ることにしました。1階は受付のようなものがあり落書きがされていました。気味が悪いと思いながらも特に変な感じはせず、この時は幽霊出てこいやという軽い気持ちで心霊スポット探索を楽しんでいました。建物の両端には上に繋がる階段があり、私たちは左端の階段から最上階である4階を目指すことにしました。
2階3階と見て回りましたが、四角い同じ部屋がそれぞれの階に並んでいるだけで特段変化はありませんでした。そして4階にたどりつきました。
4階にたどり着くと廊下があり右端は建物、左端はテラスのようになっており前日の雨でコンクリートの上に水溜りができていました。少しずつ建物の端から端へ歩みを進め探索していきます。
そして2つ目の部屋の前に差し掛かったあたりで私のスマホのSiriがパンという音を立てて反応しました。その後に無機質な女の声で
ひどい!
と言いました。
私は???!となりそのスマホを見てみるとひどい!という文字が表示されていて、その上の部分を見てみると売女と表示されていました。
売女とはのちに調べてみたことですが売春婦という意味のようです。Siriは私が売女と言ってそれの応えとしてひどい!と言ったのです。ただ私は何かの間違いで反応したのではないかと思い、その場でhey Siri機能がオンになっているか確かめましたが、オンにはなっていませんでした。またスマホを包むようにもち懐中電灯の代わりにしていたため、親指がホームボタンに触れることもありませんでした。
周りの友人は私が普段から心霊スポットに行くとわざとビビらせるようなことをしていたため
「どうせお前俺らを怖がらせるためにやっているだけだろ」
と言っていましたが、本当のことだったのでうまく答えられずにいました。
後日、同じサークルで同じ心霊スポットを訪れることになりました。今度も前回と同じように10人ほどで訪れ、時刻も深夜1時くらいに着いたと記憶しています。穴の空いた鉄条網をくぐり山の中を進んで広場に着くとその日は先客がいました。5人ほどの少年少女達でした。その集団は広場の前の四階建ての廃墟を目前として怖くて中に入れず躊躇していました。その集団が私たちの存在に気付くと
「怖いから一緒にいきましよ!」
と駆け寄ってきました。話を聞くとその集団は高校生と中学生の少年少女達でした。その中に1人霊感があると自称する1人の男の子がいました。
前回同様一階から入り受付を通り左端の階段から最上階を目指します。一階二階三階と何事もなく終わりました。そして前回にSiriが反応した四階に到着しました。
するとその霊感のある少年が
「ここはやばい」と言いました。
私は気になったので
「何がやばいの?」
ときくと
「あの部屋の前に女の人が立ってる」
と言いました。そこはまさしく私のスマホのSiriが反応した場所でした。
その女の人は何を伝えたかったのか。なぜ廃病院に売春婦の霊がいたのかは謎ですが今でも不思議な話です。
作者鉄塔霊太
これは大学のサークル活動で心霊スポットに行った時のはなしです。心霊体験は他にもまだあるので後日他の体験談を投稿しようと思います。