短編2
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小学校の話

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これは私が小学生の時に体験した話です。

私が通っていた小学校は周りに田んぼと畑しかないような田舎の学校で、何十年も前に建てられたボロい校舎です。

私が六年生に進級したばかりの頃変な噂が流れていました。

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南校舎一階の女子トイレに女の子の霊がでる。

こんな話、きっと皆さんの学校でも流行っていたでしょう。

単なる作り話だ。

私は全く信じていませんでした。(南校舎の一階は理科室などの特別教室がありました。南というだけあり日当たりも良く明るい雰囲気で幽霊がでる感じではありません)

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ある日の昼休み、同じクラスの友人Aが

「噂のトイレで霊を呼んでみよう。」

と言い出しました。

A曰く、合わせ鏡をして霊に会うのだ、と。

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Aは気が強く周りのクラスメートは逆らえませんでした。

結果、Aと私、クラスメートのB、Cの四人で霊がでるというトイレに行くことになりました。

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校舎の端にあるトイレには案の定誰もいません。

その日は雨が降っていたこともあり、明るいはずの校舎が薄暗く不気味に感じました。

怖がりなCが止めようとしたものの、Aは家から持って来た鏡とトイレの鏡を合わせて、

「幽霊さん出て来てください。」と唱えました。

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キンコーン カンコーン。

昼休みの終わりの鐘がなりました。

結局何もないまま私たちは教室に戻りました。

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次の日学校に来てみると、Aの姿がありませんでした。

Aと幼なじみでいつも一緒に登校しているBはもう学校にいます。

「ねぇ、Aはどうしたの?」

「それがわからないんだよね。Aが休むなんて初めてだから心配...」

Aはそのまま学校に来ることはありませんでした。

しばらくしてからAが転校したと担任の先生から聞きました。

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あれから5年たった今もAがどうして転校したのかBもCも、そして私も知りません。

もしかしたらあの時Aにだけ霊が見えたのかもしれません。

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なるほど、合わせ鏡の事ね。
恐らく降霊術の道具だったかしれません。面白い半分で行為するのは非常に危険が高い。

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