短編2
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おばけトンネル

これは僕が小学生くらいの時の話です。

ある日、家族でキャンプに行こうという事になり、父母、兄と僕4人でキャンプ場に向かいました。

行く道中にやたら長く暗いトンネルがあり、当時僕は小学生であったので、とても怖く、車の中でうずくまっていました。僕は父に怖いと言うと、父が 父:「ここは“おばけトンネル”と呼ばれていて、おばけが出るんだ」と僕をより怖がらそうとしてきました。

ですが、そこは本当におばけトンネルと呼ばれているらしくて、それはこの話の後に分かった事でした。本当に暗くて長く、子供ながらに薄気味悪さを肌に感じていました。

怖がりながらも何も無くトンネルを抜けて、キャンプ場に着きました。その後のキャンプは楽しくて、おばけトンネルの事なんか忘れるぐらいに楽しんでいました。

キャンプを終えて帰ろうとした時に、理由は何故か分かりませんが、父と母が喧嘩していました。僕は不安がっていましたが、兄が 兄:「どうせしょーもない事で喧嘩しとるけん大丈夫よ」と言ってくれて少し安心した気持ちになりました。

帰りの車の中でも、喧嘩は続いて僕は少し泣いてしまいました。それをみて両親は申し訳なそうな顔をして、少し沈黙が続きました。沈黙が続く中、例のおばけトンネルに入ろうとしていました。僕はおばけトンネルよりも両親の喧嘩が怖くておばけトンネルのことはすっかり忘れていました。

そしておばけトンネルの真ん中らへんの時に母が突然。

母:「きゃぁぁぁあ!」と叫び出し、それに反応した父が、父:「何!?急にどうしたんな!」と怒鳴りつけました。そして、母は急に真顔に戻り

母:「いや、なんでもない…」と返しました。

その時に、突然僕の頭の中に「うふふ…」という女の薄気味悪い声が聴こえてきました。声がフィードインする感じで頭に響き渡り、すぅーと静かになっていきました。これは、僕が実際に体験した話で、今思い返しても何が何だか分かりません。ただ、何故両親は喧嘩をしていたのかと理由を後に聞いたのですが、なんで喧嘩していたのか分からないと理由もなく曖昧らしく、母はなぜ急に叫び声を上げたのか?と聞いても覚えてないし、分からない。と言っていました。何か曖昧で少し不気味であったのはよく覚えています。そして、女の声が聴こえたのは、僕ただ一人だけでした…

子供の頃は、両親の喧嘩の方が怖かったのですが、今思えば鳥肌が立ちます。以上が僕の実体験でした。

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