ある夢の話です。
私は気がつくとある山林に立っていました。
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カウントダウンが始まります。
何故だか分かりませんが、
「ヤバイ!最悪の場所からのスタートだ!逃げなきゃ!」
と即座に思いました。
スタートしたのかカウントダウンが0になった瞬間身体が勝手に音楽が聴こえる方とは逆に走り出します。
走りながら「あそこを目指さなきゃ!」とは思いつつ、
どこを目指して行けばいいのかわかりません。
ただ、途方もなく遠く、1日や2日じゃ到着しないのは理解してました。
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後ろから太鼓の音と民謡な様な音楽がどんどん近づいてきます。姿を見られては行けないと思い息を切らしながら走り続けました。
すると木の上の黒い球体が目に入ります。
「やった!ワープだ!」
初めて見る夢のはずなのに、私はこの球体を理解しているようです。
ただ、飛ばされる場所がランダムらしいのでまた同じ場所に戻ってくる可能性があります。
私は運に祈り球体に飛び込みました。
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グルグルグルグル球体が回っているのが目をつぶってても分かります。
球体からペッと吐き出され起き上がり周りを見てみると。
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最悪だ。
さっきと同じ場所でした。自分の運の悪さを呪いましたが、嘆いてる暇はありません。
その間にもなにかよく分からない物がドンドンと近づいてくるのです。
横に砂利道が見えます。
「奴は砂利道の方はあまり巡回しない!」
と思い。砂利道の方に逃げ込みました。
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砂利道を走っていると奴の気配が遠くなり、音楽も段々離れていきます。
とりあえず一安心だ。と息をつきました。
砂利を模した様な大きめな布が転がっていたので、ひとまずそれを被り身を隠しました。
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隠れて数分もしない内に人の足跡が近くでします。
身を震わせながら目を瞑っていると、
ドン!!!
shake
なにかが倒れる音がしました。
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恐る恐る、布から顔を出してみると、
ミニスカートのギャルがパンツ丸出しで転んでいました。
「いや、もうなんなのー?!」
とギャルが大きい声を出します。
心配とか以前に早く黙らせなければ!と私は布を投げ捨て彼女に近づきました。
「ちょっと!静かに!気づかれる!」
私は小声で彼女を起こすと、
「あ!お姉さんも参加者?」とヘラヘラ笑っていました。
この現状でこんなに平然としていられるのは、初参加しかない。と思いました。
ん?私もはじめてのはずなんだけど。
と疑問に思いましたが、とりあえず危なっかしいし、私も彼女の近くでバレたら嫌なので
「一緒にいく?」と声をかけました。
すると彼女は
「一人で心細かったんだよね〜!噂にはきいてたけどさあ!
あ、目的地までの地図あるよ!」
と彼女は地図を広げました。
アイテム持ちか。ラッキーだな。と思い、
一緒に地図を覗き込みました。
まだまだ遠そうですが、近くの川を下れば、目的地方面です。そこに何があるのか、なんでそこを目指さなきゃならないのか、何から逃げてるのか、
少しならこの夢を理解しているかもしれない彼女に聞こうとした瞬間。
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5匹の野犬が私たちを囲みます。
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「たかが、犬じゃん!そんなビビんなって!」
彼女のその言葉にイラっとしつつ、なんとか野犬から逃げていると、音楽がまた遠くから聴こえてきました。
ヤバイ!来た!
彼女の腕を引き、目についた一件だけ立っている民家に飛び込みました。
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「まじ、壊れた!最悪〜」
彼女は手に持っている自分のコンパクトミラーをカチャカチャ直そうとしながら私についてきます。
どんどん太鼓の音が近づいてきます。
焦った私は障子がボロボロで中が丸見えの押し入れに彼女と一緒に入ります。
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「大丈夫。前もこんなようなとこに隠れた時見つからなかったから」
また私は自分が経験している様な発言をし、疑問に思いました。
彼女は私の言葉を気にとめず、手の中の鏡をカチャカチャいじっています。
「お気に入りだったのにい」
「いいから黙って!奴は耳がいいの!」
何回黙らせようとしても、彼女は余程鏡が壊れたのがショックだったのかブツブツいってます。
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遂に家の中まで入って来ました。
横を見るともう一つ破れていない障子があったので、私だけでもそっちに逃げようと思いましたが、彼女を放っておけません。
彼女の腕をギュッと握り目を瞑るとようやく彼女も黙りましたが、
時すでに遅しです。
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障子の前に感じる人の気配。目を瞑っているのに、随分と光が差し込みます。
太鼓の音はもう聴こえません。
掴んでいたはずの彼女の腕が何かに引っ張られるのを感じました。私は目を開けることも出来ず、ただその姿勢のままでいました。
ようやくわかりました。
私この夢3回目だ。
2回目の時はかなりいいとこまで行ったんだ。
仲間がいたかも、一人だったのかも覚えていません。
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ただ、思ったのはあの時と同じ、喰われる時は無でいよう。
私の腕も引っ張られます。
目を瞑ったままなので奴の正体はわかりません。
ただ、最後に思ったのは、
バカ女。次はもっと危機感を持って挑め。
彼女のことです。
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私は目を覚ましました。
今目を覚ました直後にこの話を投稿しています。
奴とは何者なのか、何を目指すのか、彼女は実在しているのか。
一切わかりません。
ただ、また忘れた頃にまたこの夢をみるかもしれません。
次もちゃんと夢から帰ってこられるのを祈るばかりです。
ご清覧ありがとうございました。
作者にゃんとも