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短編1
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赤い世界

目が覚めると視界に入る物の全てが赤色に見えていた。

 右を向いても赤。

 左を向いても赤。

 上を向いても下を向いても目につく物の全てが赤一色であった。

 壁も家具も赤いペンキを塗られたように赤くずっと見続けるていると目が痛くなってくる。

 「福大 苺」と自分の名前を縫った赤い熊のぬいぐるみを抱き、落ち着いて考えてみる。

 あまり考えたくはないがもしかしたら何か目の病気にかかってしまったのではないだろうか。

 そう考えると、流石に焦りが出てしまったのか足元の何かに躓いて転んでしまった。

 「痛いなあ。何これ」

 躓いたそれの胸にはカッターナイフや包丁などの様々な刃物が突き刺さっており部屋と同じく真っ赤に染まっている。

 「あ〜なるほどね。私は病気じゃないみたい」

 昨日はちょっとやりすぎちゃったみたい。

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