短編1
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※長文※

福岡県です。

母から「田舎の古い知人を訪ねたいので車を出してほしい」と頼まれ、相手に伺ったら「なるべく早い時間においで」

しかし私の仕事の都合で夕方に。

帰りは夜。

ご高齢の知人いわく

「来た道が近道ばってん、通りなさんなよ」

訳を聞くと

「道沿いに無人の古い家があったろ?夜中に(あるはずのない)部屋の電気が点いてたり、玄関前で女性らしき人がぐったりしてたり、変なのがよくある」

「昭和30年代に村八分のいじめがあり、その家の者が孤独死した。真相はたぶん自殺」

「あの家ば取り壊したいっちゃけど皆怖がって放置しとぅ」

「郵便局やクロネコのドライバーには前々から言って聞かせている。今日あんたたちに早めにきんしゃいと言うたのはそういうこと」

母ははじめ昔話の戯言かネタの類と思ったらしく、軽く笑い飛ばしたら知人の形相が変わって思いきり一喝されちゃいました。

ということで遠回りのルートを教えられ、通ってみて納得!

最新の街灯、掘り起こしのないまっさらな舗装、(失礼ながら)田舎の道路とは思えない環境。予算をかけて整備したんだなと夜目でもはっきり分かりました。

つまり地元の方にとってはここがメインの車道であり、生活道路なんですね…あの家を避けるために。

車内で母がポツリ、

「久しぶりに人から怒られた…ここにはもう二度と行かん」

Concrete
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