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短編2
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Yとの出会い(3)

その頃私は、喉に違和感があった。

喋れないほど。

なんか、ゴワゴワしたものがのどに挟まった感じ。

気持ち悪くて吐きそうになった。

…てか、嘔吐した。

今日は学校を休んだ。

私は声が出なくて、そしてあることを思い出した。

Rにそっち行くと連絡をしてすぐにマスクをつけてパーカーを持ち、半ズボンをきて自転車に股がった。

自転車は兄のお下がりだが、いつも6にしてあったギアを1にした。

理由は簡単、そんな気力がないからだ。

とりあえず行く。

Rの家は徒歩10分くらいで行けるがそんなに外に出たくないから全力で行く。

いつもの運動不足が響いて息切れが凄い。

インターホンを押す。

すぐにドタドタと足音がしてガチャリ、と音をたて扉が開いた。

R『……。』

私『……。』

2人とも無言だった。

…シュールな光景だが、喋れないんだ仕方がない。

Rが手招きをした。

家に入れと言う事だろう。

私はコクリ、とうなずき家に入った。

すごくシュールだと思った。

Rは布団を出していて、あったかいお粥を出してくれた。

お礼をしてふーっと、息を吹きかける。

食べようとした時、気持ち悪くなった。

どうやらRも同じようだ。

すぐに隣にあったバケツを取って嘔吐する。

そこには黒い塊が浮かんでいた。

R『…なんだこれ…、』

私は驚いた。

声が出ていたのだ。

私も声をだす。

私『あー、あー、あー、』

何事もなかったように声が出た。

喉の違和感も消えている。

Rがなんの気なしにその黒い塊に目をやる。

R『…なぁ、これ、髪の毛じゃね…、??』

私はもう、それに目をやる勇気は無くなっていた。

そして、呟いた。

私『…苦しい思いをしたんだな、あいつも。』

幽霊だって感情はあるのだ。

そーゆー色も見えるし。

私はアイツの記憶が見えた。

アイツは苦しんでたんだ。

暗い所にいて、食べ物がなくなったから髪とか爪とかを食べたんだ。

多分、分かって欲しかったんだ。

私『…ごめんとは言わないけど、分かって欲しかったなら記憶を見せるだけにしてくれ』

私『私はあんたをわかってあげられないし。』

それだけ言うと私は目を瞑ってもう一度記憶を思い出していた。

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