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中編3
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羽が生えた女の子。

私は羽が生えた女の子に会ったことがある。もちろん、天使とか、悪魔とかそーゆー存在ではない。

ただ、会ったことがあり、喋ったことがあるだけで私はその子のことを何も知らない。

でもこれだけは先に言っておく。

彼女は、人間ではなかった。

彼女と会ったのは小1の中旬。

何故か廊下に蝶々みたいなのが飛んできて、それが彼女になった。

他の人には見えていないみたいだった。

彼女は私と目があって、すぐに走ってきた。

私はその頃友達が居なかったので喋るとこにした。

『ねぇねぇっ!どうして1人なの?』

彼女は高いけど、可愛い声で私に問いかける。

私は返事に困った。

理由は沢山あるけれど、

折角友達になれそうな子にそれを言って嫌われないだろうか、それを言って不快な思いをさせないだろうか、幻滅されるだろうか、

そんな考えがぐるぐると頭の中に回ってきた。

でも、嘘を付くのも嫌だったので私はホントのことを言った。

幽霊が見えるから、

お父さんがいないから、

いつも空を見てて話そうとしないから、

幽霊と話していたから、

不吉だから、

お母さんが仕事人間だから、

地味だから、

理由は他にもあるが、辞めておく。

とまぁそれを彼女に話す。

周りからは変な目で見られるが。

先生が来た。

あ、まじやらかした。

ごめん、と呟いてから先生に連れていかれる。

先生はトイレに私を連れて行って鍵を閉める。

先生『非科学的なことを言ってみんなを怖がらせるのは辞めなさい』

先生の隣に女の子いる。

そんなことを思いながらその女の子を見つめる。

先生がそこを見る。

先生から見たら何も見えないだろう。

先生『この…ッッ!!』

先生が生徒に手を挙げるのはよいのだろうか。

私『チッ…あんのババァっ、いってぇ…』

私『見えねぇとこにやりやがって…』

家に帰ってランドセルを置いて、

服を捲ると痣が出来ていた。

『わ、私のせい…、?ごめんねっ、!』

彼女はついてきていたようだ。

私『んや、あの先生のせいだよ…大丈夫!』

そう言って彼女の前では笑顔を作って見せた。

私『…虚言症、統合失調症ねぇ…。』

そんなことをつぶやき宿題を終わらせ、

自分と兄2人の分の夕飯をつくり机の上に置いて一人で食べる。

兄の1人はゲームをしている。友達と。

部屋に入ると兄の友達の声がしてこわいから部屋の前に置いておく。この兄は比較的優しい方だ。無視するけど。

もう1人も同じ。

部屋に入ると殴られるから部屋の前に置いておく。

母は仕事だ。

だけど、居なくてまだ楽。幼稚園の頃とか、掛け算まで覚えさせられていた。

ひたすら勉強、勉強。

私に完璧を求めていた。

私『…ごちそーさま。』

ご飯が終わるとお母さんと離婚したお父さんと連絡をして彼女と少し話し、おやすみと言って寝た。

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翌朝、学校にいく。

教室の扉には黒板消しが挟まっていた。

黒板消しはみんな背が低いから下らへんの方にあった。

私は扉を開けて黒板消しを蹴り、

クラスメートが集まっている方を睨み、

こんなんに引っかかるとおもうなよ?、と言ってやった。

先に着くと、彼女が喋った。

『すごい、すごい!!カッコよかった!!』

私はまた叩かれるのは面倒臭かったのでノートを取り出して鉛筆でありがとう、と書いた。

彼女はにししっ、と可愛い笑みを浮かべ、ちょっと言ってくる!といって、少し悲しそうな表情をしながら蝶々になって飛んでいった。

それきり、彼女は戻ってこなかった。

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