私は幽霊が見える。
でも、昔から、と言うわけではなくある出来事をきっかけに私は平凡からはかけ離れた暮らしをするようになった。
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きっかけは夏祭り。
私はおばあちゃんの家に泊まりに行った。
ばあちゃん『つむぎ、よくきたね〜』
その日、おばあちゃんの家につき、夏祭りに行くことになっていた。
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私は当時4歳。まぁ幼稚園児だ。
末っ子だった私はボーっとしていると、すぐに人混みに巻き込まれ、すぐに迷子になってしまった。
こーゆーときは、あまり動かない方がいい。
近くにあった石のところまで歩いていくと、
そこに座った。
人はあまりいない。
『迷子?』
私が顔を上げるとそこには狐の面を被った中学生くらいの男の子。
『折角のお祭りだよ。』
『もっと楽しまないと。』
『一緒にいこ』
私は、うん、といい頷いた。
私はその男の子に手を引かれて神社の方へと行った。
『こっちだよ』
そう言う男の子に私はずっとついていった。
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神社の横の森に入って長い階段を登り終えた。
今思うと、男の子は息切れしていませんでした。
そして、男の子と同じように仮面をつけた人が踊っていました。
天狗のお面の人が太鼓を叩き、
鬼やらおかめひょっとこやら般若やら、色んな仮面の人が踊っていた。
怖いと言うより私はその雰囲気に圧倒されていた。
ぼーっと見ていると誰かとぶつかった。
見上げるとでっかくて、2メートルは軽く超えてたと思う。
でも顔は小さいひょっとこの面にしっかりと入っていた。
小さい頃そんなことに頭の回らなかった私はやばっ、と思ってごめんなさいと謝った。
そのでっかいのは私の浴衣を掴んで自分の肩に乗せて踊り出した。
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しばらくして、私は男の子と戻った。
ばあちゃん『つむぎっ、!?』
ばあちゃん『よかった…心配したよ…』
ばあちゃん『花火見れた?』
私『うん!特等席から見れた!』
ふと振り返ると、あの男の子は居なくなっていた。
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不思議に思いながらもお礼言いたかったな、と思った。
それから次の年も、その次の年も狐の男の子と一緒に祭りに行くようになった。
『ここ、特等席。』
ふと下を見てみると動物の毛みたいな、そんなのが足元で動いているのが見えた。
私『…、?なに、これ…、??』
『触らないで』
私『え、?』
『…そっかぁ…もう見えるんだね…。』
『はい、』
そう言って男の子は私に狐のお面を渡す。
『今年で最後だからあげる。』
私『え、え、なんで…っ、?』
私『ごめんっ、嘘、嘘だから…っ!!』
私『私何も見てないから!!何も聞かないから!!』
私『だから、』
私『また来年も…一緒に遊んでよ…。』
『なかないで、ほら、花火始まるよ』
男の子が指差した方を見ると花火が始まっていた。
そして、もう一度男の子の方を見ると提灯の灯りはもう消えて、1匹の狐が走っていくのが見えた。
作者つむぎ