ソイツが来たのは3時。
丁度丑三つ時だった。
巨大の猿みたいな体に、無表情で口と目をぽっかり開けたような人間の顔。
その時、Yの寝息は聞こえたがRの寝息はきこえなかったから多分寝ていないんだろうな、とか思う。
「Rぅぅうう”…Yぃぃぃい”…つむぎぃ”…」
名前知られてるし、会話やっぱ聞かれてたか。
てことはずっとついて来てたってことかな。
Rに私たちを探してるから喋っちゃだめ、ということをつたえる。
Rは動かなかった。
ワンチャン金縛り合ってるな、
私はなんで合っていないんだろう、と思いながら心当たりを探す。
…多分守護霊のお陰だ。
Rのことも守ってくれないものだろうか。
そんなことを思いながらスッと立ち上がる。
そしてその猿みたいなのに近づいて行き、目の前で止まる。
Rが、「んっ”、!?」みたいな驚いた声を出したがそんなことは気にしない。
深く息を吸って深呼吸。
多少の震えも止まり、言葉をいう。
私『あんたの探してる奴いないから、帰ってくれない?』
睨みつけて回し蹴りをお見舞いする。
そうするとソイツは消えていった。
“虎の威を借りる”と言う奴だ。
守護霊にまたも、助けてもらった。
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時間も経って朝になる。
Rとあの時の話をしていると、Yが起きてきた。
Y『…んぁ?なんの話してんだ?』
…と、不思議そうなものを見るような目で見てきた。
私はあの騒ぎの中1人だけスヤスヤ寝ていたYがあの化け物より強いと思った。
作者つむぎ