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短編2
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昭和な部屋にて

ページをめくるタイプのアドレス帳。

これをどこに置こうか?・・・

隣の部屋に行ってみる。

「あれ?こんな部屋あったっけ・・・?」

そこには、備え付けのラジオ。チャンネルを昔聴いていたのに合わせる。

懐かしいラジオが流れる。

けっこう広い。台所。

薄暗いけど窓があるから、昼間、電気はつけなくていい。

カーテンは自分でつけたものだっけな・・・

そうだ、あのアドレス帳はここにかけて・・・

こんなに広いとは、ラッキー。

ドアがいつも出入りするものとは別についている。

少し開けると・・・

ああ、通路に通じていて、階段前に出るのか。

誰かいる。

shake

「ああ、〇〇さん?!」

とっさにドアを閉めて鍵をかけて良かった。

「橋本さんとこの奥さんが亡くなって。。。」

・・・ああ、そうだったのか。でも大声を出すのはやめてほしい。

「いるのはわかってるんだから、開けてくれよ!」

やばい。窓は閉めてあったっけ?

確認する余裕もなくリビングに戻る。

夜勤の夫が寝ている。

まだ怒鳴っている。

ラジオを大きな音で、かけっぱなしで来てしまった。

でも、もう在宅していることは気付かれている。

夫が起きてしまった。「・・・もう、何だよ。」

こうなったら、警察を呼ぶしかない。

shake

「おーい!いるのはわかってるんだぞ」

「刺してくるような勢いだよ。何とかしてくれよ。」

夫が言うが、緊張してうまく電話の操作ができない。

震える手で110番するが、繋がらない。

こうなったら、管轄の警察署に・・・番号はアドレス帳にあったはず。

でも、うまくスマホの操作ができない。

やっと繋がった!

事情を話すが、まだ怒鳴っている。

冷静に、こちらの住所など伝える。

ドアを開け誰かが入ってくる。

・・・警察?

「今、この住所で亡くなった方がいると通報がありまして・・・」

separator

どうやら、同じ住所で、もうひとり、一人暮らしの老人が住んでいたらしい。

その人が今日亡くなったというわけだ。

大家は、隣に住んでおり、ホームレスが集まる場所になっていた。

怒鳴っていた男性もそのホームレス仲間だったのか・・・

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