【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編5
  • 表示切替
  • 使い方

お前は逃げられない

これは、僕が高校3年生の時、

今から2年前に僕の身に本当に起こった話です。

当時私はある県にある高校の生徒会長をしていました。

その学校は19○○年に創立された私立高校でした。

学校自体が古く、広い敷地内に旧校舎2棟と新校舎2棟が長方形を組むように立っており、全ての棟が渡り廊下で繋がっていました。

旧校舎2棟のうち1棟は、老朽化が進み立ち入り禁止となっていたのですが、もう一棟は部室兼ホールとして使われており、部室棟という名前が付いていました。

 

そんなある日、私は学園祭準備のため、担当の先生に許可を得た上で副生徒会長と2人で放課後残り作業をすることになりました。その時先生は、「残ってやるのは良いけど、部室棟は必ず22:30に出るように!絶対だよ!間に合わなさそうなら、絶対新校舎の方に急いで出てね!必ず親御さんにお迎えをたのむように。」と言いました。

学園祭に関するものは全て部室棟に保管しており、放課後も部室棟で作業する約束をしていたのですが、

私は授業の補習が入り、副会長には先に作業を進めていてもらうよう頼み、19時半頃に補習が終わり、急いで部室棟に向かいました。

そして、副会長は21時間頃に親の迎えがあり、帰宅しました。

その後、背後から歩いて来る音が聞こえました。

驚いて振り向くと学校の警備室の警備員さんでした。

警備員さんは、「22:30までには必ず部室棟から出て鍵締めたら警備室のポストに返しておいてね」と言い残し出ていきました。

 

この何も思わなかったのですが、今思えばこれらは注意ではなく警告だったのだと思います。

22:00に私は学校に迎えに来てもらうことを頼んでいたので、片付けをしている時スマホにDMが来ました。

誰かなと思い確認すると副会長が普段iPadのSNSで使っているサブアカからで、スマホを新校舎の普段使う教室に置き忘れたからとって帰ってほしいと言われました。

片付けを即座に終えて旧校舎から新校舎に寄って、スマホを取ってから旧校舎の鍵をして出ようと思いました。

 

しかし、先ほど警備員さんが渡り廊下の扉に鍵をしてしまったようで、扉が開かずワンフロア下の2階は渡り廊下に扉がないので、そっちから向かおうと考えました。

階段を降りて、渡り廊下を渡り新校舎の教室についた時、時刻は22時15分でした。

そこからまた部室棟に戻り、部室棟の昇降口から出て鍵をし、警備室へ鍵を返却しに向かおうとした時、さっき作業していた教室の電気が消した筈だったがつけっぱなしなのに気付き、消しに戻りました。

その時、昇降口にある時計は22時23分を指していました。

急げば半には間に合うと思った私は、階段を駆け上がり、電気を消して、昇降口へ再び向かおうとした時、ポケットにいれていたはずの昇降口の鍵をどこかに落としてしまったことに気付きました。

スマホのライトで廊下を照らしながら探していると、

深夜になるはずがなく、本来旧校舎ではならないはずの

「キーンコーンカーンコーン」というチャイムがなりました。その時スマホが表示していた時間こそが22時30分でした。

チャイムの音に驚いた私でしたが、本来鳴るはずがないということにその時は気づく余地もありませんでした。

そして5分位経過した頃、落ちている鍵を見つけました。

やっと見つけたという達成感?のようなもので、30分には旧校舎を出なさいという先生や警備員さんの警告など頭から抜け落ちていました。

親の迎えを待たせているから急がないとと思い、昇降口へ向かうと、数メートル先にある職員室だった場所から固定電話の鳴る音が聞こえてきました。

それは、警備室にも繋がっているから警備員さんが時間になっても出てこない私を心配してかけてくれているのだ、と何故かその時の私は思い込み電話を取ると、

受話器の向こうからガサガサという音と共に、掠れた女の子の声で「許さない…許さない…オマエ…コロス…ア゛ア゛ア゛」という感じの声が聞こえ、私は怖くなりすぐに出ようとしました。

その時、廊下の向こう側から早いスピードでこちらに向かって、ベタベタと言う音が段々大きくなりながら近づいてきまた。

そして私の方から見て右奥にある扉がバンッと勢いよく開き、ベタベタと言う音が私の方へ近づき、私の足首を掴んで「許さない…許さない…」という声が聞こえ、怖くなった私は走って旧校舎を鍵をして出ました。

警備室まで走って向かうと、警備員さんがいました。

そしてその人は目を飛び出そうなほど見開き、私に

「あ~あ。あんなに注意してあげたのに」でした。

私は鍵を警備室の台の上に置いたまま走って駐車場へ向かいました。

その途中後ろから警備員さんの「お前は逃げられない」という声と笑い声がずっとしていました。

走っている最中もさっき掴まれた右足が痛くて重かったです。

最終的に私は無事に家に帰り、翌朝も学校に向かい、学園祭も成功させることができ、無事に卒業を迎え、大学生になりました。

後で分かったことなのですが、旧校舎にいると言われている女の子は、その警備員さんの娘さんだったそうです。女の子は、同級生の女子数名からいじめに遭い、男子数名からは性的な暴行をされて、それを苦に旧校舎が使われていた時代に屋上から飛び降りて自殺したそうです。

私に恐怖体験起こった翌日からその警備員さんは学校警備に来なくなりました。

そしてまだ、私の足首にはあのときの掴まれた手の跡が紫色になって、2年たった今でもくっきりと残っています。

そして歩くときも右足の重い感じが離れません。

霊能力がある人によると、ずっと女の子が私のことを睨みながら右足にしがみついているそうで、力が強すぎて払えないとのことです。

私はあの警備員さんの言葉のとおり一生死ぬまで、いや死んでもこの恐怖から「逃げられない」のかもしれません。

Concrete
コメント怖い
0
3
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ