【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

『見知らぬ携帯ゲーム機』

短編2
  • 表示切替
  • 使い方

『見知らぬ携帯ゲーム機』

551 :本当にあった怖い名無し:2012/07/01(日) 17:20:40.09 ID:lsV1Onry0

誰に言っても信じられなかった話。

時代は初代ゲームボーイが出た頃。

親に買ってもらって浮かれていて、習い事の行き帰りに電車の中でよくピコピコ遊んでいた。

クラスのなかでは持っている奴も結構いたが、これみよがしに電車の中で自慢げにやってたもんさ。

そんなある日・・・電車に座って小さいゲーム機みたいなもんをやってる少年がいた。

当時、そんな小さい携帯ゲーム機と言えば、一種類のゲームしかできないチャッちい携帯ゲームしかなかった。

俺は「プッ、時代遅れ者め」と思い、ゲームボーイを自慢するために近づいた。

しかし、その少年がやっていたのは、そんなものではなかった。

本体は小さく薄っぺらなのに、色あざやかで、動きも俊敏で、ゲームも糞面白そうだった。

「え・・・すげー!何それ!!」

べらぼうに驚いた俺は、見知らぬ少年に叫んでいた。

「まぁゲームじたいは昔のだよ。この機械はあいほんっていうんだよ」

彼は言った。

「ゲームだけじゃないよ。カメラにもなるし、ビデオもとれるし、メールもできる」

「めーるって何!?」

「そうか、まだこの時代じゃメールもネットもないんだよね」

彼はそのゲーム機を触らせてくれたが、使い方がよくわからなかった。

「じゃあ、もういかなっくちゃ」

そう言うと彼は次の駅で降りた。

扉がしまり、電車が出発したが、彼の姿を窓から確認しようとしたが、すでに彼はいなかった。

家に帰った俺は、親にそのゲーム機をねだったのだが、

「そんなものはない」と一蹴されてしまった。

友達に言っても「そんなのあるわけない」と言われる始末。

数年後、クロノトリガーが発売されたのだが、俺は驚いた。それは彼がiPhoneで遊んでたゲームだったんだ。

「俺、ずっと前にこれ見たことあるお」と周囲の連中に言ったが当然、嘘つき呼ばわりされたさ。

彼は一体誰だったのだろうか。俺が見たものは一体なんだったのだろうか。

彼が未来から来たとは思えないし・・・今となっては謎だらけだ。

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ