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中編3
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八尺様

それは、ある田舎の村に封印された怪異の名。数年あるいは数十年に一回、八尺様は気に入った若い男を連れ去ってしまうのだ。

その為、八尺様の居る村に若い男は居ないと言う。八尺様は山女と言う怪異と同一とする説もある。

だが、ここではその説についての言及はしない。あくまで、八尺様の都市伝説の考察を書こうと思う。

先に詳しい都市伝説の内容をおさらいとして書いておく

※『この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。

八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。

人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。

昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。

この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。

八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。

最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。

八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西 南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。

もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。

例えば水利権を優先するとか。

八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な協定を結べれば良しと思ったのだろうか。』

こんな感じだ。八尺様は人によって視え方が違ったりするが、共通点もいくつかある。

今一度わかりやすいように書き出す。

1、名前の通り八尺ほどの背丈がある女性。

2、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方。

3、頭に何か載せている。

そして、八尺様は『昔、旅人に憑いて来たという噂』。これらの情報から、私なりに考察をしたのが以下の通りだ。

八尺様は、溺死した女性の集合体で若い男性を狙うのは旅人の男性を探しているから。

先ず。見る人によって視える姿が違うのは、そもそも八尺様と言う一人ではなく複数人の魂が集合して出来上がった姿が八尺様だからと考えられる。

『ぼぼぼぼ』または『ぽぽぽぽ』っと言う声は、溺れた人が水の中で口を開き空気を吐き出す時の音に似ている。実際に聞いた事がないので、確証はないが可能性はあると思う。

頭に何かを乗せているのは、水死により醜くなった顔を隠すためかもしれないし。何かの儀式で生贄にされたのかもしれない。

旅人が男かは解らないが、きっと何かを知っている筈で。何より『旅人に憑いて来たという噂』が本当なら探していると考えるのが普通だ。

そして、見つからないから何度も現れる。また、生贄にされた人が神と融合して八尺様が生まれたとするなら連れ去られる男性たちは生贄として見初められている可能性も……。

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@夕暮れの雲
ありがとうございます。

そうなんですね。
こういう出自不明の話しって調べるほど、色んな事実が判明して面白いですよね。

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ぼぼぼ、が溺れてるときの声ってのは良い考察ですね!
もう10年以上前の話ですよね
噂ですけど、モデルの場所は愛知県弥富市というのを前に見ました
町から市へ
田舎
水利権優遇するってのも当てはまってるみたいですよ

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@肩コリ酷太郎

すいません。『旅人に憑いて来た』を書き間違えて『村人に憑いて来た』と記載しておりました。
ご指摘ありがとうございます。

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「村人についてくる」というのと、地域的な限定で浮かぶ話として、
死人は生きてた頃の知っている土地にしか行けない、という話を聞いたことがあります。
たとえば思い出の土地に行きたいとしても、実際に自分で道のりを覚えていない場合にはタクシーとか電車を利用したり、誰かに取り憑いて移動したりするとか。
知らないところは真っ暗に見えるらしいです。ちょっとかなしい。

「ぼぼぼぼ」って呟きながら道に迷ってるの想像するとなんとなく可愛い気もするんですがどうでしょうw

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