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短編2
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母のアルバム

小さい頃、私は母に本を読んでもらうのが好きでした

家には大きな本棚があって、寝る前にその本棚から好きな本を選んで読んでもらうのです

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本棚には色々な本がありました

絵本、小説、図鑑、雑誌、中には母が使っていた学校の教科書もありました

私がどんな本を持って行っても母は読んでくれました

図鑑や雑誌は面白そうなページを一緒に見て楽しむのです

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ある日、本棚の奥に古くて重い本を見つけました

カバーには「◯◯高校 卒業記念」と書かれており

どうやら高校の卒業アルバムのようでした

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父と母は同じ高校だったため、両親の高校時代がどんなだったか気になり、いつものように母のところへそのアルバムを持って行きました

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アルバムを見た母は突然

「あんたどっからそんなもの持ってきたの!」

と凄い剣幕で怒鳴りました

いつもは優しく滅多に怒らない母でしたが、

この時は人が変わったかのように怒鳴りました

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私は

「なんで?どうしたの?本棚に戻せばいいの?」

と尋ねました

母は

「いい?その本は絶対開いちゃだめだからね

やっぱり処分すれば良かった」

と言うのです

このことを父に話すと、父は全てを教えてくれました

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実はこのアルバムには、実害が及ぶほどの危険な心霊写真が掲載されており、アルバムを持っていた母の代の卒業生は皆アルバムを処分していたのです

実際に高校や印刷業者からも注意喚起がなされていました

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この写真の存在には発行されて配布されるまで誰も気づかなかったため、卒業生に配布されてからようやく発見されたのです

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ではなぜ母はこのアルバムを処分しなかったのか

後に聞いてみたところ、やはり危険とはいえ、今の父と出会った高校時代の思い出をどうしても捨てる訳には行かなかったとのことでした

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結局、そのアルバムは母が自ら処分しました

写真の詳細については父も母も教えてくれませんでした

※この話は全て実話です

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