山道の怪

僕はバイクが好きでして休みで天気が良い日なんかはよく山道へ走りに行くんですよ。

それで山道を走ってると頻繁に横道が出てくるじゃないですか？

車が一台走れるくらいの獣道みたいなのとか、舗装されているけどどこに繋がっているのか分からない道とか

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なんか探検心や冒険心をくすぐられてついつい入っちゃうんですよね。

その日も適当な道を見つけて入って行きました。

車が一台通れるくらいの道幅でコンクリートで割としっかり舗装された道でした。

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そこを通って山の上へ上へと登って行ったんですよ。

途中右端に墓地がありましたが、山道だとよくあるんで素通りしました。

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その後、しばらく走っていると広い場所に出ました。

道はくの字に続いています。

ちょうど階段の踊り場のようなイメージです。

「あー道続いているなぁ、さらに登ってみようかなぁ」

そう思いながら先の道の方を見てバイクを走らせました。

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その時、前輪が何かに強く当たりバイクが滑りました。

ズシャと音がして前輪がピッタリと溝に入りました。

脱輪した後、何にぶつかったのかと周りを見ましたが何にもないキレイな広場でした。

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「変だなぁ」と思いながらも僕はバイクを倒したり引っ張ったりしてなんとか溝からタイヤを出します。

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その後は引き起こし作業でヘトヘトに疲れたこともあり帰ることにしました。

来た道をゆっくり帰っていると今度は行きがけに見た墓地が左手にあります。

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何となく怖くなり見ながら走っていると、無数の手形が墓地にあったんですよね。

もしかするとタイヤが滑ったのはタイヤが何かに当たったことが原因ではなく、僕自身が何かに押されたのかもしれませんね。

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もしくは「これ以上、上に行くな」という警告だったのかもしれません。

いずれにせよ、ケガなく帰れて良かったです。