私の父は、よくトランクス一枚でウロウロする人でした。恥ずかしいとかなく、寒くないのかな?程度に思っていました。それよりも、よく酒を飲み、帰宅しなかったり、帰ってもガラスを割ったりとそちらの方が気がかりでした
そんな父は、私が18才の時に亡くなりました。やはり、肝臓癌でした
やっぱりなという気持ちとせめて成人式までは生きてて欲しかったななんて思いながら正月を迎えました
嫁いだ姉と一人暮らしの兄が帰ってきて、母と私と4人で楽しく家でスキヤキをしました
食べ終わって一息、私と姉は炬燵でぬくぬく、すると襖を開けて繋がっている仏間から兄が「おい、久しぶりにゲームでもするか?」と声を掛けてきました
姉も私もそちらを見て
黙りました
仏壇から肌色の大きな塊、煙?、透けた塊が兄の体へとスーッと向かっていくのです
え?これ、ぶつかったらどうなるの?と、混乱しました
兄の体に肌色の透けた塊はそのまま通り過ぎていきました
「お兄ちゃん大丈夫?今何ともなかった?」
「だよね?あれヤバそうじゃなかった?」
姉も同じものを見ていたのが分かりました
その後兄弟で話した結果
「パンイチの親父が、帰ってきたのでは」
で、落ち着きました
この人肌色の塊、今のところ後先この一回のみです
作者ブルーモンスター