中編3
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伝えようとする感情の渦

ここは有名な心霊スポットです。

別の顔も持ち、パワースポットとしても知られています。

友人とこの場所を訪ねたときに不思議な体験をしました。

ここには、深い山々があり、四季を伝える緑や木々、心地よい滝の音や鳥のさえずりが聞こえます。 ここは自然が穏やかで心が落ち着く唯一の場の様に思えました。

遊歩道を歩きながら、友人は言う「ここって何か奇妙悪くない?」まあ有名な心霊スポットではあるが、風景の美しさに特に何も感じる事も無かった。と言うか、心霊スポットで有る事すら忘れて居た。私は理解出来ない事が時々起きて、まっ昼間に黒い影を見たり、オレンジ色の影を見たり、白い影も見たり、顔が確認出来た時は何故か共通して目が黒く眼球に光が無い。私は、この場所には特に不思議な事は起きないと思い、友人に「ここは何も無いと思う。ただの噂だよ、景色も凄く綺麗だし!」疑い深い友人は私の意見を聞かず無言で足を急いでいる。

雄滝が見えた。私は「誰も居ないね?こんな良い場所は他にはないよね!」思わず独り言の様に呟いてしまった。そう言えば、駐車場にも一台も止まっていなかった。「誰も居ないし、穴場スポットだね!のんびり眺めて時間潰そうよ。」私は友人に言った。「日曜の昼過ぎだから、これから人は来ると思うけどね。夜は、きっと怖いから来るの辞めよう!」いきなり何を言うかと思えば、夜も訪れたいのか?そう思いながらも黙って目で答えた。

滝を眺め始め暫くすると、何か視線を感じる気がする。雄滝の反対方面、山の方から。周辺を見渡し特に誰かが居るとは思えない。「気のせいか。」私は周辺を再度確認した。大きな杉の木しか目に入らない。私がキョロキョロしている姿を見て友人は「もしかして、あの杉の木が気になってる?」と言うと杉の木へ向かい歩き始めた。共に木へ近づいて言葉を失った。

杉の木に錆びた釘が刺さっている!私の喉辺りの高さだろうか?友人が「何これ?藁人形を打ち付けた跡?」私も同意見だった。釘の下に目を向けると、土の地面に長い髪の毛が散らばっている!ここで自分の髪の毛を切っていたって事?この怪奇的な渦に参ってしまい、私は「気持ち悪い趣味してるね!この人!」不謹慎にも声にしてしまい、急に石を拾い錆びた釘の頭を上下左右に叩きつけへし折り、取れた釘の頭を滝の方角へ投げ捨ててしまいました。そして、次に髪の毛も捨てようと、しゃがみ込む寸前に真っ正面の杉の木から髪の毛がボサボサの女性が、顔半分出して私を覗いて見つめている!

私と友人は、この出来事に驚き、急いで駐車場へ戻って、この場所を離れる事にしました。あまりにも不思議な出来事に友人と言い争いにもなりモヤモヤした感じに。話しの途中、私は顔を鏡で見て更に驚きました!長い白髪の髪の毛が私の首に一本巻き付いていました。スカーフを巻く様な感じで!友人曰く「髪の毛だけど、本当はロープで首吊りを伝えている様に思うけど?」きつい一言だった。

-お.わ.り-

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